ドラコが離れたのを確認してからアンブリッジはレンを睨みニタァと笑ったその口をゆっくりと開いた。
ドラコは煙突からハリーを引き摺り出し、その喉元に杖を向けて立たせている。
「やっと本性を現したわね、クレスメント。貴女がずっと影で糸を引いてるんじゃないかと思っていたのよ。」
「バカね。そんな面倒くさい事するなら自ら飛び込んで貴女の首を絞めに行ってるわ。影で操り操作するなら此処にも居ないし、さっきだってこの人達を見捨てて貴女に呪いのひとつでもかけてたわ。」
レンの言葉に反論も出来ないのだろう、彼女は手を振り上げたかと思うと突然懐かしい身を切り裂くかの様な痛みが身を襲い、気が付いた時にはその身は床に横たわり、その痛みは何度も背を打ち付けていた。
「やめて!もう、やめて!!」
ハーマイオニーの悲痛な叫びとジニーの怒りにも似た叫び声が聞こえる。
「ずっと貴女の事は気に入らなかったのよ。家柄だけで急に現れて…!」
レンがゆっくりと顔をあげると見覚えのある物をアンブリッジが握っていた。
そう、レンを叱りつける時に伯父がよく使っていた、あの鞭の様な拷問道具だった。
「へぇ…それを持っているって事は…そう。ルシウスね?伯父の家に出入り出来る人はあの人ぐらいですもの。」
「さぁ。ある筋から頂いたのよ?貴女はこれが大好きなのでしょう?」
「磔の呪いも使う勇気もない人がよく言うわ。その道具を私以外に使ってごらんなさい。私は貴女を一生許さない。」
その言葉にアンブリッジは顔を顰めると杖を振り上げレンに磔の呪いをかけ、やめろ!!というハリーの叫び声や他の人達の悲鳴がレンの耳に響いていた。
激しい痛みと共に決して悲鳴は漏らすものかとレンは自分の唇を強く噛み締めていた。
「貴女達がこうさせたのです。」
床で細かい切り傷で血を滲ませ横たわったまま動かないレンから杖を外しアンブリッジは興奮気味に息を荒げそう吐き捨てた。
アンブリッジはハリーを引き摺る様に連れて来るとレンの側に置いた肘掛椅子に座らせ杖を向け続けた。
「さぁ、ポッター。貴方は誰と話していたの?それとももっとあの子も貴方も痛めつけられなきゃ話す気にならないかしら?」
ハリーはレンに視線を下ろしたが何も言わなかった。レンが言ってはダメだと合わせた視線で訴える。