鞭に打たれた傷の手当をしてくれたのだと、レンはすぐに気付いた。
すぅっと痛みが和らいだのだ。
「我輩は任務上、追う事は出来ん。無事に戻って来い。例えブラックを身代わりにしようとも。無事に帰って来ると誓わぬのなら、此処から出してやるつもりもない。」
その言葉にレンはきょとんとするも、小さく頷いた。
「必ず帰ってきます。」
「…行け。」
レンは開けられた扉を犬の姿で飛び出して行く。
アンブリッジの部屋に戻ると丁度誰かの呪いがドラコに直撃した所だった。
他の親衛隊の杖がロン達に向けられれば、レンはその手に噛み付き杖を離させた。
「ガルルルルッ!」
その犬の姿にロンは安心した様に表情を和らげ、レンはクラッブの腕に噛み付きネビルを離させる。
犬を狙った失神呪文にレンはクラッブを踏み台にして飛び退ければ、それがクラッブに直撃しては動かなくなり、その隙に杖を回収したロン達は他の生徒を失神させ、捕らえられてた生徒は無事にアンブリッジの部屋を脱出した。
ドラコ、助けてくれたのにごめんね?もう少しだけ其処にいてね。
レンがそう心の中で言えば、その頬に鼻を摺り寄せた後ドラコのマントを探り、そこから杖を一本抜き取れば口に咥えて部屋を出た。
「ハリー達の行った場所は判る?」
犬は鼻をクンクンさせる様に上を向くと、任せておいて!と言いたげに大きく頷き走り出した。
「あれって…」
「レンさ。スネイプを使って騎士団に連絡したんだと思う。急ごう、見失っちゃう!」
ジニーの言葉にロンはそういうと、その犬の後を追った。