「お待ちしておりましたぞ、姫君。」
「…失礼な人達ね。姿を現し声をかけるのなら、その顔を見せたらどうなの?」
「姫君、ご無礼をお許しください。…さぁ、一緒に行きましょう。」
「何処へ行くというの?」
引き摺られる様に連れられて来た場所は神秘部の扉の向こうだった。
いくつもの扉が並んだ奇妙な空間。
レンは追い払い呪文で近くにいる死喰い人を払い退ければ、レンは近くの扉に飛び込んだ。
此処は時の間だった…沢山の砂時計がレンの目の前でキラキラと砂を落としている。
レンは扉に鍵をかければ大きく息を吐き、熱を放っていた懐中時計を取り出した。
「レン!やっと繋がった…!お前今何処に…!」
「シリウス…!良かった…生きてた…」
「伝言は受け取った。今何処にいるんだ!?」
「ハリー達と魔法省に来た所。私が先に姿現ししたの。誰か先に偵察した方が良いと思って。…死喰い人に遭遇して、ハリー達には引き返せってメモを送った。エレベーターに乗る前にそれを受け取る筈よ。私は何処かしら…神秘部に連れられて来たの。たくさん砂時計があるわ…時の間…かしらね…」
「今迎えに行く!取り敢えず逃げ続けるんだ、いいな?戦ってはいけない!」
「来ちゃダメよ!私達が何の為に…あの映像を現実に起こらせたくはない!」
扉がドンドンッと音を立てるのに視線を向けながら、シリウスにはっきりとそう告げるがシリウスは聞きはしなかった。
「もう騎士団が動いている。私1人で乗り込むわけじゃない。本当は直ぐにでも1人でも行きたかった…お前なら私の気持ちは判るだろう?…どうして私の魔力を感知しなかった?」
「どの魔力が誰の物か判別出来なくなってるの。腕の印が凄く熱いから印が何か悪さをしているのかも…。大丈夫よ、シリウス。シリウスの気持は判るわ。私がシリウスでもそうしたいと思う…けど私1人だけならどうとでもなるわ。ちゃんと帰るから、皆も来てはいけない。私なんかの為に動いてはいけないわ。シリウス…私から貴方を奪わないで。」
「大丈夫だ。安心しなさい。お前が嫁ぐまではそう簡単に死んでやるつもりもないし万が一の時は私が言った言葉を思い出せ。」