「伸び耳は効果なしよ。ママがわざわざ厨房の扉に邪魔除け呪文をかけたもの。」
掃除の合間にトンクスが、暇そうにしていたレンと休憩に来たジニーに蛇魔除け呪文の見分け方を教えてくれた事を思い出すと、レンは小さく笑った。
「今度は何を投げつけたの?」
レンのその言葉にジニーはにやりと笑うと、双子達は不思議そうな表情を浮かべる。
「トンクスがどうやって試すか私達に教えてくれたの。扉に何か投げつけて、それが扉に接触出来なかったら、扉は邪魔除けされてるってね。私、階段の上から糞爆弾をポンポン投げつけてみたけど、みんな跳ね返されちゃった。だから伸び耳が扉の隙間から忍び込む事は絶対に出来ないわ」
フレッドが深い溜息を吐いた。
「残念だ。あのスネイプの奴が何をするつもりだったのか、是非とも知りたかったのになぁ。」
「スネイプ!」
ハリーは直ぐに反応した。
「此処に居るの?」
「居るわ。私、会議が始まる前に会ったもの。勿論あの人が何をしているかは私も知らないわ。聞いたけど、教えてくれる様な人ではないわね。」
ジョージは慎重にドアを閉めればベッドに腰を下ろし、ジニーとフレッドもその隣に座った。
「まる秘の報告をしてるんだ。嫌な野郎さ。」
ロンのその言葉にハーマイオニーは私達の味方だと咎めたが、それでも嫌な野郎で目つきが気に入らないとロンは鼻を鳴らした。
「ビルもあの人が嫌いだわ。」
「ビルも此処に居るのかい?エジプトで仕事してると思ってたけど。」
ジニーの言葉にハリーは怒りよりも情報を聞きたいという気持ちが強くなったのか、皆とは反対側でレンがハーマイオニーの手を借りて座らせてもらった椅子の傍のベッドに腰掛けた。
わざわざ近くに来なくても、直ぐ側に座る所はあっただろうに…と思うも、近くを選んでくれたその気持ちが何処か嬉しかった。
「事務職を希望したんだ。家に帰って騎士団の仕事が出来るようにって。エジプトの墓場が恋しいって言ってる。」
だけど…と、そこまで言うとフレッドはニヤリとし「その埋め合わせがあるのさ」と続けた。
「どういう意味?」
「あのフラー・デラクールって子、覚えてるか?グリンゴッツに務めたんだ。」
ジョージがそう答えると「えいごーが、うまーくなるよーに」とフラーの真似をして見せれば、フレッドが言葉を続ける。
「それでビルがせっせと個人教授をしているのさ。」
「チャーリーも騎士団だ。だけどまだルーマニアに居る。ダンブルドアはなるべくたくさんの外国の魔法使いを仲間にしたいんだ。それでチャーリーが勤務の休みの日に色々と接触してる。」
ジョージがもう1人の兄の事を説明すれば、そういえば屋敷に来た時からチャーリーとパーシーだけ姿が無かったなと思えば、ハリーもパーシーの事が気になったのか「それはパーシーが出来るんじゃないの?」と答えればその場に居たハリーとレン以外の全員が暗い顔で訳有りげに目を見かわした。