第9話
「どんな事があっても、パパとママの前ではパーシーの事を持ち出さないで。」
ロンが緊張した声で2人に言った。
「どうして?」
「何故ってパーシーの名前が出る度に親父は手に持ってる物を壊しちゃうし、お袋は泣きだすんだ。」
フレッドがそう言うとジニーは悲しそうに「大変だったのよ」と言い、ジョージは柄にもなく顔を顰めて「彼奴なんか居ない方が清々する。」と言い出す始末。
「貴方がそんな事を言うなんて珍しいわね。てっきりお仕事が忙しくて姿を現さないだけかと思っていたけれど…いったい何があったの?」
「パーシーが親父と言い争いをしたんだ。親父が誰かとあんな風に言い争うのを初めてみた。普通はお袋が叫ぶもんだ。」
フレッドがそう言うと今度はロンが話を続ける。
「学校が休みに入ってから1週間目だった。僕達、騎士団に加わる準備をしてたんだ。パーシーが家に帰ってきて昇進したって言った。」
「ウソだろ?」
ハリーは直ぐにそう答えたが、レンも同じ事を思った。
パーシーは野心家だが、パーシーの魔法省での最初の任務は大成功だったとは言えない。
上司がヴォルデモート卿に操作されていて(魔法省がそれを信じていた訳ではなく、皆クラウチ氏は気がふれたと思いこんでいた)それに気付かなかったのは、パーシーが相当大きな失敗をやったという事になる。
「役職は何になったのかしら?」
「大臣付下級補佐官。」
ジョージがそう教えてくれればレンは小さく息を吐いた。
「パーシーはホグワーツを卒業して1年だわ。そしてクラウチさんの事を見抜けなかったという失敗を犯したばかりでそれはおかしい…だとすれば現状をよく考えても答えは1つだわ。」
「あぁ、親父も同じ考えだった。だがパーシーは親父が感心すると期待してたんだろうよ。」
「どういう事?」
レンの言葉にフレッドが暗い声で答えれば、ハリーは意味が判らないといった様に言葉をかける。
「今のファッジは、ヴォルデモートが復活した事を認めたがらない様なの。ホグワーツで言い争いもしたって聞いたわ。だから今は復活したと言い続け、力も人望も持っているダンブルドアが恐ろしい。そしてアーサーおじ様は騎士団員である事は隠しているけれど、マグル好きのダンブルドアとも親しい人だとファッジは理解している。…ハリー、貴方がファッジだとしたら、パーシーの事どう思う?」
「それって…パーシーに何らかの情報を探らせようと側に置く為に昇進させたって事…?」
「少なくとも親父はそう考えてるな。ファッジが、ダンブルドアと繋がりのある者は机を片付けて出て行けってはっきり宣言したって言ってるし、完全にスパイとして利用しようとしているだけだって…。」
ジョージは大きく頷いてからそう言うと、レンは小さく溜息を吐いた。