「貴女、大丈夫?彼にどんな酷い事をされたの?そんなに赤い目をして…」
「ふんっ。グリフィンドールの生徒に優しくするなんて珍しいじゃないか、お高いクレスメント様がよ。」
シリウスは不貞腐れた様にそう言えば、その女性はジロリとシリウスを睨みつけるも、直ぐに視線を戻しレンを真っ直ぐに見つめた。
そしてレンの懐からちらりと見えたそれを確認すれば、ちゃんとしまいなさい。とそれを押し込みにっこりと微笑んだ。
「あれ、よく見たら貴女…なんだ、貴女だったの?ダメじゃないの。こんなところに来ちゃ。どうやってここに来たの?」
「なんだ知り合いだったのか?」
「えぇ、私の従姉妹なの。同い年なんだけれど病気がちで…ずっと違うところで生活をしていたの。それ私の制服?本当にもう…戻ってきたならそう教えてくれれば良いのに…あーあ…こんなに汚れて怪我もして…どんな道を通ってきたのよ。治療してあげるから、あっちに行きましょう?」
そうレンを引っ張り湖の方へ連れて行けばその女性はレンと2人で木に凭れ掛かり小さく息を吐いた。
アクアはレンの切れた唇と背中と怪我をしている場所が見えている様にそこを癒してくれる。
とても暖かい安らげる光だった。
「さ、後は腕だけよ。」
「だ、だめ…!ここだけは…ダメなんです。私の血は穢れてるし…」
レンは慌てて手を引くも、アクアの方が一枚上手で、その場所を包帯ごと露わにすれば、息を飲んだ。
「貴女…死喰い人、だったの?…でもあの印とは色が違うわね…」
「ヴォルデモートに…呪われたんです。」
アクアは何かを考えるとそこに手を当て傷を癒し、その後何か呟いた後、その手をどかすと、闇の印の上から太いマジックで書いた様な×印が付いていた。
「紛らわしいから、私がおまじないをしてあげたわ。」
その印は不思議だった。
レンがどんなに闇の印を傷つけようとも、それはその上からつけられたかの様に浮かび上がっていたのに、×印だけはその闇の印の上から付いている。