どこへ行くんだろう?と視線で追えばリーマスの所だった。
プリプリと怒っていて、リーマスが宥めている。
シリウスはそんな光景に軽く舌打ちをすると、ちょちょいっと指を動かしアクアの頭の上に芋虫を落とす。
それに悲鳴を上げさらに怒るアクアを楽しそうにに笑っていた。
お母さんは芋虫が嫌いなんだなぁ…なんてレンはそれを目を細めて眺めた。
「で?お前はやりたかった事みたいなのは解決したのか?」
急に話しかけられてきょとんとすれば僅かにその瞳に心配そうな色を写しながらレンを見つめていた。
「え?…あー…したのかどうか…判りません。父親が私の所為で死んでしまって…悲しくて悔しくてやるせない気持ちでいっぱいで…気が付いたら此処にいて…」
レンのその言葉にシリウスは暫く黙るも、ゆっくりと口を開いた。
「もし俺がお前の父親だったとしたら…実際に居ないからどんな気持ちかは正確じゃないけどよ…。悔やんでも恨んでもいないし、お前を護れた事、それを誇りに思ってるさ。力に屈するより、背を向けて逃げ続けるより、護り抜いて散った方が自慢だ。」
「やり残した事がたくさんあったとしても?」
「それでも、だ。俺の意志はお前が受け継いでくれるだろう?」
整った綺麗な顔で、意志の強い真っ直ぐな瞳がレンをとらえていた。
レンはそれに大きく頷く。
「お前も父親に悔いない生き方をしろ。今は辛いだろうが、しっかりと前を向け。…まぁ俺の子だったら?そんな弱虫じゃないと思うがな」
シリウスは立ち上がりながらレンの頭に手を置くと乱暴にその頭を撫で髪をぐしゃぐしゃにすれば、レンはシリウスに向かい「有難う。」と優しく微笑みかけ、シリウスがそれにフッと笑みを見せリーマスの方へと歩いていけば、アクアは怒りながらシリウスに駆け寄り、虫がどうのこうの文句を言っている。
レンは片手に温もりを感じた瞬間体が徐々に透けていきその場から消えると、シリウスは「今誰と何を話してたんだっけ?」と言いたげに首を傾げていた。