ホグワーツもアンブリッジが来る前に戻りつつあった。
フレッドとジョージが残した沼地はフリットウィック先生がものの数秒で小さな水溜りを残して消し、水溜りの周りをロープで囲み記念に残したという。
「ハリーと一緒にいるんだと思ったわ。」
「私はずっと玄関にいたから…お婆ちゃんみたいにずっと日向ぽっこはつまらないんじゃ無いかしらね。」
レンのその言葉に皆は笑った。
レンもちょっと見てなよ。とロンはニヤニヤとしながら舌で馬の蹄の音の様な音を鳴らすと端のベッドからガバッと飛び起きた女性がいた。
いつも綺麗に整えていた頭はボサボサのアンブリッジだった。
ハーマイオニーはもうやめて、と枕に顔を押し付けて笑い声を殺していたが、お見舞いに来ていたレンの姿を見ると、アンブリッジは顔色を変えた。
「貴女…いらしていたのね。」
「えぇ。アンブリッジ先生。お姿が見えず気になっておりましたが、ご無事な様で何よりですわ。」
レンの顔から笑みすらない事にアンブリッジは視線を逸らし、レンは何か言いたげにしていたそれに言いたい事を察すると彼女に近付き近くの椅子に腰を下ろした。
「安心してください。貴女が許されざる魔法や、拷問道具を私に使用した事は、まだ誰にも他言しておりません。」
「そう…。」
「私は別に貴女の立場を危うくしたい訳ではありませんし、貴女の好きな人や物、居場所を奪う事に興味は微塵もありませんわ。ただ、私はヴォルデモートを倒して平和になってくれたら…その平和の世の中をのんびりと平穏に一分一秒でも永く生きられたらそれで良いんです。ですがアンブリッジ女史には、もう少し今回のような事からはご卒業願えたら、とは思っております。」
レンが悲しげにそう笑みながら言えば、アンブリッジは再度「そう。」と小さく答え、レンが立ち上がりハーマイオニー達に戻る事を伝えればアンブリッジは「待って」と一言声をあげた。
レンはそれに振り向き首を傾げれば「ごめんなさい」と一言消えそうなほど小さな声で言い頭を下げてくれた。
「あの痛みには慣れていますし、私も先生の事を煽りましたから…あくまでも今はどうでも良いです。」
病気や怪我は人の心を弱くするという。
きっと今のあの人はいろいろショックで心が弱り、こんな自分にまで頭を下げたりするんだなぁとレンはふと思えばそのまま談話室へと向かった。