ホグワーツ特急に乗り込む時には行きでの過ちを犯さぬ様、ハーマイオニーはガッチリとレンの手を掴み列車に乗せ、その手を今度はハリーが受け取っていた。
ネビルとジニーとレンとハリーで1つのコンパートメントをとり、レンは窓際でずっと外を眺めていた。
ハリーはトイレに行ってくると立ち上がり、コンパートメントを出てからしばらく戻って来ない。
戻って来ないハリーを心配したのか、僕ちょっと様子を見てくるよとロンはコンパートメントから出て行く。
「ねぇ、レン。聞いてるの?」
「殆ど聞いてなかったわね。何?」
レンは興味なさげに言いながらも視線はまだ窓の外だ。
ハーマイオニーはそんなレンの両頬を自分の両手で包み自分の方をむけさせれ視線を合わせればにっこりと笑った。
「私今年は家に戻って少ししたらジニーの所に行くつもりなの。貴女もおいでなさいな。私達おばさんにご招待いただいているみたいなの。」
「行かないわ。」
あまりの即答にジニーも驚いて見せた。
「色々…起こりすぎて、消化不良なのよ。家でゆっくりしてるつもり。」
「でも貴女…あのお家に1人でしょう?」
「ギルがいるし、多分リーマスも。任務とかでいない日の方が多いかもしれないけれど…。1人の方がいい。ゆっくり考えたいの。」
「ダメよ。貴女、魔法省から戻ってからあまり食事もとってないじゃない。」
「1人だけれど1人じゃないから大丈夫よ。またホグワーツでお会いしましょう?…それまでには、少しは調子を取り戻すから、もう少しそっとしておいて。」
レンがそう言うと誰も何も言えなくなってしまった様だった。
しばらくすればロンがハリーを連れて戻ってきては、ハリーはレンの隣に腰掛け、レンの膝の上にパンプキンパイと取り分けた大鍋ケーキをそっと置いた。
それにレンが気付き不思議そうに首を傾げれば「買いすぎちゃった。」といつもの様に言い、ハリーは笑う。
「いつも有難う、ハリー。」
それから他の皆は話に花を咲かせていたし、ハリーはレンを背もたれにしながらロンと向かい合わせになりチェスをしていた。
だが、ジニーが付き合ってた男性と今はチョウが付き合っていると言う話に、ロンは妹に次はもっといいのを選べとハリーをちらりと見ながら言えば「ディーン・トーマスを選んだけど、ましかしら?」と上の空で聞いていた。
ロンは大声で「なんだって?」と叫んだせいでチェス盤はひっくりがえり、梟達は怒った様に鳴き、クルックシャンクスはチェスの駒を追いかけ始めた。
レンが驚いてビクッとするとレンに身を預ける様に寄りかかるハリーが、驚いた?と声をかけ小さく笑っていた。