最終話
キングズ・クロスが近付き列車が速度を落とせば、レンは降りたくないという衝動にかられる。
もし帰ってシリウスが居なかったら…いや、居ないのはわかっている…それを受け止めねばならない事に自分が耐えられるかどうか…それがとても怖かった。
列車を降り、レンはそこで姿くらましをしようかと思ったが、母さん達に逢ってってよ。とロンがレンの手を掴み、レンは4人で魔法の障壁を潜り抜けて外へ出た。
レンは目の前に広がった光景に瞳を丸くした。
ムーディが、魔法の目を隠すのに山高帽を目深く被っていたし、その隣には一番マグルらしい格好で白髪が増えたリーマスの姿、その隣にはトンクスが妖女シスターズのロゴ入りで派手な紫のTシャツと継ぎ接ぎだらけのジーンズという姿で立っていた。
何故だかその2人が並んでいる姿に、レンは自分の居場所がなくなった様に感じた。
レンがそれに固まっていれば、ウィーズリー夫妻がロンとジニーに駆け寄り抱き締め、それと同じくリーマスはレンの側にきてくれ、それにホッとした自分が何故かたまらなく嫌だった。
「お帰り、レン。」
「ただいま…リーマス。迎えに来てくれるって、言ってたの…忘れてて、ビックリしちゃった。」
レンが苦笑まじりにそう言えば、そうだろうと思ったよとリーマスは笑いその腕の中にレンを閉じ込める。
「帰ったら少しゆっくり2人で過ごそう。」
レンはそのリーマスの言葉に涙が溢れ、小さく頷いて、リーマスの服をぎゅっと握りしめた。
「ちょっとルーピン、俺と代わってよ。」
その声にリーマスは小さく笑い、少しハリーと話して来るとリーマスはレンを離すと直ぐに姿を現したのはジョージだった。
ジョージはドラゴンの皮製の緑色のジャケットを着ており、レンは小さく笑う。
「お帰り、レン。ちゃんと食ってないだろ?最後に逢った時より痩せたな。スリザリンにいた頃みたいな顔してるぜ?」
「…ただいま、ジョージ。なんかぼーっとしてる間に時が過ぎてたのよ。」
そう言うレンをぎゅっと強く抱き締めてくれるジョージ。