それも大きな記事ではなく、決まり文句のジョークみたいに、かなり悪質にあちこちに潜り込ませている様だ。
それもリータ・スキーターが書いたハリーがあちこちで失神するとか傷が痛むといった記事を利用し、ハリーを思い込みの激しい目立ちたがり屋で、自分を悲劇のヒーローだと思っているという書き方をする。
例えば、信じられないような突飛な記事の場合だと『ハリー・ポッターに相応しい話』、誰かがおかしな事故に遭うと『この人の額に傷が残らない様に願いたいものだ。そうしないと、次に我々はこの人を拝めと言われかねない。』などと書き、ハリーの事を全く信用できない人間に仕立て上げようとしているとの事だった。
それはファッジが裏で糸を引き『愚かな少年で、お笑い草。あり得ない馬鹿げた話をする。なぜなら有名なのが得意でずっと有名でいたいから。』そう読者に思い込ませようとしているとの事だった。
「ハリーは一度も拝めだなんて言った事はないし有名になりたいだなんて微塵にも思った事がないの、私は知ってるわ。…あんな事さえなければ、ハリーだって普通の生活が出来ていたのに…ハリーがどんなにそれを望んでいるか…なのに許せないわ…!」
ハリーが勢い良く立ち上がったのと同時にレンが俯き、声を震わせながらそう言うと、ハリーは椅子に座り直し、レンが力を込め握っている手をそっと握ってくれた。
ハリーはレンが泣いていると思ったのだろう…小さな声で「有難う」とレンに声をかけた。
「それに勿論、吸魂鬼がハリーを襲った事は一言も書いてない。誰かが口止めしたのね…制御出来ない吸魂鬼なんて。ハリーが国際機密保持法を破った事さえ書いてないわ。」
蹴落とすならば絶好のチャンスを記事にしない。それは裏で手を引いている人物が、仕組んだ事件だから…
レンはそうとしか考えられなかった。
「う、わっ」
フレッドが伸び耳をぐっと引っ張ると、パシッという音がし、双子は消えた次の瞬間モリーが部屋の戸口に現われた。
「会議は終わりましたよ、降りてきて良いわ、夕食にしましょう。ハリー、皆が貴方にとっても会いたがっているわ。ところで厨房の扉の外に糞爆弾をごっそり置いたのは誰なの?」
「クルックシャンクスよ」
あれで遊ぶのが好きなの。と、しれっと言うジニー。
「そう。私はまたクリーチャーかと思ったわ。あんな変な事ばかりするし…。さぁ、ホールでは声を低くするのを忘れないでね、ジニー手が汚れてるわよ。何してたの?お夕食の前に手を洗って来なさい。」
モリーがそう言うとレンに手を差し出してくれる。
どうやら一緒に厨房へ行きましょうという事なのだと思えば、すみません。と小さく声をかけてからその手をとり、支えて貰い一歩一歩安全を確認しながら歩き部屋を後にする。
「眼鏡はどうしたの?」
そう言いながらモリーは杖を一振りし、レンの杖を呼び寄せれば、レンはそにお礼を言い「寝ぼけてたみたいです。」と小さく笑う。
その後にジニーが続いて降りて来ていた。