ホールまで降りるとスネイプが出てきていた。
「傷と瞳の薬を置いてある。飲むのを忘れぬ様に。」
レンの姿が視界に入ると、スネイプはそうとだけ言い、レンは小さく頷いて見せた。
「口煩い父親がもう1人増えたみたいね。」
「止めてくれ。」
心底嫌そうにシリウスがそう言うと、支えられながら階段を下りてくるレンを階段下で待ち、傍に来れば横抱きにして抱える。
それにお礼を言えば、レンは小さく笑った。
「私…家族が欲しいって思っていた時があったの。」
シリウスに運んでもらい厨房へと連れて行かれ、指定の位置に卸してもらうと、レンはそうシリウスに話しかける。
シリウスは小さく首を傾げるとレンの隣に座ってくれた。
「勿論、今も…シリウスやリーマス、ハリーとも本当の家族になれたら良いのにって、望んではいけない事を望んでしまいそうになる事もあるわ。…けど、家族って色々大変なのね…。」
そう言うと大きく溜息を吐くレン。
パーシーの事、自分が説得してどうにかなるのなら説得に行きたい。
だけれど、自分にも自分の傷しかヴォルデモートが復活したと示せる証拠がないのだ…。
それならば親や兄弟が言っている事も信じていないのに、他人の自分の言葉なんか信じてもらえる筈がない。
「私達は本当の家族さ。友達同士が喧嘩するように家族でも喧嘩をする事はある。確かな絆がある家族ならば大丈夫だ、何も問題はない。」
シリウスはレンの頭をポンポンと叩くと、優しく微笑んで見せた。
有難う、シリウス。
そう言おうとした時だった。
耳を劈く様な悲鳴が聞こえ、レンはとっさに両耳を塞ぎ、シリウスはまたかと大きな溜息を吐いて声の方へと向かう。
そう、誰かが大きな声か音を立てて、シリウスの母親の肖像画を起こしてしまったのだ。
シリウスや皆が来る間、額をくっつけて話をするビルとアーサーを眺めていた。
テーブルの上には間取り図や色々な事が書いた羊皮紙が沢山ある。
それらをチェックする訳でもなく話を盗み聞きする訳でもない。
何処か遠くで起こっている事を眺めている…そんな気分だった。