あの後、戻ってきた彼にレンは思いっきり頬を摘んだ。
「貴方の所為でこれからどうなると思っているの?出来る事ならいくらだって代わりたいって思っている人だっているの!そんな人の気持ちまで蔑ろにして!ハリーに謝らないなら今度はパンチしてやるんだから!こんな若造に文句を言われて鬱陶しかったらもっとしっかりして頂戴!」と珍しく怒ってみせたのだ。
「はぁ?」
マンダンガスが欠伸をしながら体を起こしシリウスはレンの隣に座り、その隣にはハリーが座った。
「ダンク、会議は終わり、ハリーが到着したんだよ。」
シリウスがそう声をかけると、マンダンガスは赤茶けたくしゃくしゃの髪の毛を透かして、ハリーを惨めっぽく見た。
「ほー。着いたンか。あぁ……元気か、アリー?」
「うん」
ハリーが短くそう答えた。
マンダンガスはハリーを見つめたまま、そわそわとポケットを弄り、煤けたパイプを引っ張り出すと、それを口に突っ込み、杖で火を点け深く吸い込む。
緑がかった煙がモクモクと立ち昇り、忽ちマンダンガスの顔に煙幕を張った。
「レンの言う通り…あんたにゃ、あやまンにゃならん。」
臭い煙の中からブツブツいう声が聞こえた。
「マンダンガス、何度言ったら判るの?」
モリーが向こうの方から注意した。
「お願いだから、厨房ではそんな物、吸わないで。特にこれから食事っていう時に!」
「あー…うン。モリー、すまン」
マンダンガスがポケットにパイプをしまうと、モクモクは消えた。
しかし靴下の焦げるような刺激臭が漂っている。
「魔法が使えなかったら、今頃マンダンガスは火達磨ね。」
ボソッとレンが呟くと、シリウスはニヤリと笑った。
レンはシリウスが聞こえていた事に驚き目を丸くすれば、シリウスはレンの頭をポンッと撫でてくれた。