「モリーおば様、私、何か手伝うわ。」
シリウスに撫でられて少し恥ずかしくなったレンは、立ち上がりモリーにそう声をかける。
「貴女は座ってなさい。まだ動き廻って良い体ではないでしょう!」
「でも…」
「なら私が手伝うわ。モリー、何しようか?」
トンクスが何でもするわと、弾むように進み出た。
モリーは心配そうな顔で戸惑い「今日は十分働いたし、貴女も休んでらっしゃい」とやんわり断った。
「ううん。私、手伝いたいの!」
トンクスが明るく言い、ジニーがナイフやフォークを取り出している食器棚の方に急いで行こうとして、途中の椅子を蹴飛ばして倒した。
「ふふ。彼女の側にリーマスがいたら、リーマスは面倒見が良いからきっと退屈しなさそうね。」
レンのそんな呟きに、確かに。とシリウスも小さく笑った。
それからはアーサーの指揮下でウィーズリー一家が料理の支度をし始めた。
レンとハリーとシリウス、マンダンガスはその場に残され、マンダンガスはハリーに自分が任務を放棄してしまった事を謝り、その後はシリウスとハリーが話をしていた。
シリウスはハリーが何の情報も与えられずに不満を持っている事を、どうして不満に思うのかが判らない、なぜなら喧嘩も出来れば自由に動き回れる。自分はこの1カ月此処に缶詰で、シリウスが動物もどきである事をヴォルデモートが知っているかもしれないという理由で、此処で掃除の指揮をする事しか出来ないし、少なくともダンブルドアはそう思っていると、自分の不満を口にした。
ハリーはシリウスの言葉に熱い気持ちがこみ上げてきている様で、やっぱり男性同士の方が互いに元気付けられるのだろうなとレンは思い、皆の様子をただ眺めていた。
「フレッド、ジョージ!おやめっ、普通に運びなさい!!」
モリーの悲鳴にも似た叫びに、テーブルに居た4人は振り返り、シリウスはレンを抱え間髪をいれずテーブルから飛び退いた。