「ダンブルドアが仰った事を、よもやお忘れじゃないでしょうね?」
「どのお言葉でしょうね?」
シリウスは礼儀正しかったが、戦いに備えた男の雰囲気を漂わせていた。
「ハリーが知る必要がある事以外は話してはならない、と仰った言葉です。」
ロン、ハーマイオニー、フレッド、ジョージの4人は、シリウスとモリーの間をテニスのラリーを見る時の様に頭を動かして話を聞いている。
「私はハリーが知る必要がある事以外に、この子に話してやるつもりはないよ、モリー。しかし、ハリーがヴォルデモートの復活を目撃した者である以上、ハリーは大方の人間以上に…」
「この子は不死鳥の騎士団のメンバーではありません!!それにこの子はまだ15歳です。それに…」
モリーが言った。
「それに、ハリーは騎士団の大多数のメンバーに匹敵する程の、いや、何人かを凌ぐ程の事をやり遂げてきた。」
シリウスがモリーの言葉に続けて言えば、モリーは更に声を大きくして反論をする。
「誰もこの子がやり遂げた事を否定しやしません!」
「ハリーは子供じゃない!」
シリウスは苛々している様に言い、レンの拳に乗せていた手に力が入る。
「大人でもありませんわ!シリウス、この子はジェームズじゃないのよ!」
「お言葉だがモリー、私はこの子が誰か、はっきり判っているつもりだ。」
シリウスは冷たく言った。
「私にはそうは思えないわ!時々貴方がハリーの事を話す時、まるで親友が戻ってきたかの様な口振りだわ。」
「そのどこが悪いの?」
ハリーが言った。
「どこが悪いかというとね、ハリー、貴方はお父さんとは違うからですよ。どんなにお父さんにそっくりでも、貴方はまだ学生です。貴方に責任を持つべき大人がそれを忘れてはいけないわ!」
「私が無責任な名付け親だという意味ですかね?」
シリウスが声を荒げて問い質し、レンの拳は僅かに震える。
「貴方は向こう見ずな行動をとる事もあるという意味ですよ、シリウス。そんな貴方だからダンブルドアが家の中に居る様にと何度も仰るんです。」
「ダンブルドアが私に指図する事は、よろしければこの際別にしておいてもらいましょう!」
シリウスが大声を出せば、レンは顔を上げてシリウスの方を見る。