「でも皆が知らせているんでしょう?」
ハリーがそこまで話を聞くと、其処に居た皆を見て尋ねる。
「さぁ。私は気の触れた大量殺人者だと思われているし、魔法省が私の首に一万ガリオンの懸賞金を賭けているとなれば、街に出てビラ配りを始める訳にもいかない」
シリウスはじりじりしながら言った。
「私とくれば、魔法族の間では、特に夕食に招きたい客じゃない。狼人間につきものの職業上の障害でね。」
リーマスが言った。
「トンクスもアーサーも、そんな事を触れ回ったら職を失うだろう。それに魔法省内にスパイを持つ事は我々にとっても大事な事だ。何しろヴォルデモートのスパイもいる事は確かだからね。レンもその一人だ。レンの事はファッジが特に気に入っている…特に今はレンの家柄の力を奴は失う訳にはいかない。」
シリウスがそう言うと「それでも何とか何人かを説得できた」とアーサーが言い、言葉を続ける。
「このトンクスもその一人。前回は不死鳥の騎士団に入るには若すぎたんだ。それに、闇払いを味方につけるのは多いに有益だ。キングズリー・シャックルボルトも全く貴重な財産だ。シリウスを追跡する責任者でね。だから、魔法省に、シリウスがチベットに居ると吹聴している。」
ハリーは、この中で誰もヴォルデモートが戻ってきたという事を広めていないなら…と不思議がったが、シリウスが「ダンブルドアが苦境に立たされているのはなぜだと思う?と聞けば、ハリーは首を傾げた。
シリウスの話によると、連中はダンブルドアの信用を失墜させようとしているらしい。
既に国際魔法使い連盟の議長職を投票で失ったのだという。
アーサーはこのままダンブルドアが魔法省に楯つき続けていたら、アズカバン行きになるかもしれない事を心配していた。
もしダンブルドアが幽閉でもされれば、ヴォルデモートに邪魔者はいなくなる。
彼らが仲間を集めても表沙汰にならないのは、騙し呪いをかけ恐喝する。そんな隠密工作に手慣れているから。
そして彼らは配下を集める事以外にも求めている物があり、今はその計画に集中しているとシリウスは言う。