するとベッドの手摺りに捕まって、赤ん坊のハリーが掴まり立ちをすれば、レンを抱えたマントを着ている男を好奇心の目で見つめるも、赤ん坊のレンが暴れ始めれば、赤ん坊のハリーは何かを察したのだろう、大声で泣き喚く。
ごめんね…ハリー…私が泣けたら…泣いて何か魔法でも発動してくれたら…貴方達を守れたかもしれないのに…。
抱えられたレンが暴れるのも気にもせずヴォルデモートはハリーに杖を向けた。
そして、緑の閃光を放とうと杖を上げたその時、ハリーは泣くのを止め、大粒の涙を浮かべ頬を濡らせたままヴォルデモートを睨みつけた。
その瞬間だ。緑の閃光が眼光に溢れかえっては爆発をし、レンはその音と同時に目の前が真っ暗になりなにが起こったのか判らなかった。
ただ感じるのは激しい痛みと重み。それに咄嗟に閉じた瞳を開くと、瓦礫に埋もれているのであろう状況が良く判った。
瓦礫の隙間から見えるのは、ベビーベッドの中から一生懸命に手を伸ばしながら泣いてくれるハリーの姿。
レンも手を伸ばそうとしたが、瓦礫が重くて身動きが取れないでいた。
その後、ハグリッドが姿を現し、泣きながらハリーを抱きかかえれば、ハリーはまだ泣きながら一生懸命にレンに手を伸ばしてくれるが、ハグリッドはそれに気付かずにその場を立ち去る。
そしてその後、シリウスが現れる。
きっとハグリッドに聞いた事が本当か確かめに来たのだろう…。
酷く悲しそうな叫び声をあげ、レンはもう酷く疲れていたがその声に必死にシリウスに向かって手を伸ばそうとした。
…私、此処にいるの…この重いのを退かして…ハリーの所へ連れてって…。
やっと弱々しく伸ばしたその手にシリウスは気付く事もなくその場から立ち去っていった。
あぁ…自分はずっとこのままなんだ…そう思った時、全てが真っ暗になった。