「細部まで思い出したか、我が娘よ…。お前は俺様と一緒にポッター一家を殺した。…さぁ、あの時の様に本当のお前を思い出せ。皆、お前自身を求めてはいまい…何かあったその時…あの時と同じ様に、皆お前を捨てて行くだろう…。」
「何で貴方が私の夢の中に現れるの?」
「俺様はお前の心を覗き支配しようとしているのではない。俺様は常にお前と共に在るのだ。いい加減に認め俺様の元へと帰って来い。」
暗闇の中でヴォルデモートの声が響き、レンは何度も煩い、黙れと叫び続け、声が枯れ始めた頃、辺りは薄暗い闇に包まれた自分の部屋になった。
久し振りに最初から最後まであの夢を詳細に見た…そして最後のあの言葉はなんだったのだろうか…。
いつもの夢には家に入っていく辺りや、ハグリッドが迎えに来たところも、シリウスに気付いてもらえなかったところも無かった…。
レンはゆっくりとベッドを降り、溢れた涙を拭えば、リビングへと降りていく。
体が嫌になる程小刻みに震えている。
今は本部がシリウスの家の方になってきている為、其処には誰もいなかった。
あちらに行けば、シリウスやリーマスが居るだろうか…?
淡い期待を抱き、繋がった扉からシリウスの家に行き、なるべく音を立てぬ様に歩いていけば、その厨房には隣り合わせで何かを話している2人の姿があった。
あの夢のシリウスと其処にいるシリウスが重なっては、レンは無意識に消そうな程な小さな声で「パパ…。」と呟いていた。
すると不思議な事にシリウスがハッとした様に顔を上げ、辺りを見渡せばレンを見つけ、その様子に2人が立ち上がるとリーマスはコンロの方へ、シリウスはレンの方へと来ては「どうした?」と声をかけてくれるが、レンは上手く声が出ずにシリウスの胸に顔を埋めれば、シリウスはそれを抱きかかえ、先程座っていた位置に戻っては座り直して、そのままレンの背を撫でてくれる。
「熱がある…傷が痛むのか?」
そう言うシリウスにレンは小さく首を横に振った。
「それじゃ、嫌な夢でも見たのか?」
顔色が悪い。とシリウスが言えば、レンは小さく頷いて抱きしめる腕に力を込めた。
「またあの夢を見たのかい?」
その隣にリーマスが座り、温かいココアを作ってくれテーブルにおけば、レンはそれに小さく頷いた。