「大した事はないんだけどね、用心の為に…ちゃんとしなくては。」
リーマスの魔力に少々乱れを感じ、レンは小さく首を傾げるが、シリウスが言葉を続ける。
「我々が外しても良いと言うまで、この包帯を外してはいけない。判ったね?」
それは命令に近いような口調だった。
何の為にそう言っているのかは判らなかったが、2人が自分の為以外にそんな事を言う人物でもなかった為、レンは小さく頷いて見せれば、2人はほっと安堵した様子だった。
「包帯の交換も済んだ事だし、そろそろ向かおうか。」
リーマスがそう言えば、今度は不満そうな雰囲気を出すのはシリウスだ。
シリウスは未だ無実が証明されてはおらず、自由に出歩く事が出来ない。
ワームテールがヴォルデモート側に行った事により、シリウスが犬だという事を知られているだろうという理由からでもある。
「シリウスが犬で一緒について来てはいけないの?ほら、盲導犬みたいな感じで、車椅子について歩いたら、黒い犬なんて沢山いるし判らないと思うの。私、シリウスとリーマスと3人でお出かけしたいわ。」
「レン、それでもしシリウスが襲われたらどうするんだい?」
その言葉にレンは反論出来ずに落ち込み「暫くの辛抱だよ。」と慰める様にレンの肩を叩いた。
「ごめんね、シリウス…。向こうに着いたら一番に此方と向こうを繋ぐわ。だから少しだけ待っていて?」
レンのその言葉に、シリウスは渋々そうに頷いて見せた。
「レン、覚えておくんだ。不死鳥の騎士団はロンドン、グリモールド・プレイス12番地に存在する。いいね?」
シリウスが言い聞かせる様にゆっくりとレンにそう言うと、レンは小さく頷く。
「グリモールド・プレイス12番地…覚えたわ。」
レンがそう返すと、シリウスは安心したように頷き、2人はシリウスと挨拶を交わすと、レンはリーマスの押す車椅子に乗り、2人は漏れ鍋に姿現しをした。