第15話
結局、クリーチャーの狙いは永久粘着呪文のかけられたタペストリーを保護する事だと知れば、シリウスはクリーチャーを追い出した。
ハーマイオニーは彼を自由にしてあげたら…と、言うがシリウスは騎士団の事を知りすぎたクリーチャーを自由にする事は出来ないときっぱり言う。
レンはそのタペストリーに視線を向けた。
ドクシーに食い荒らされた跡はあるが立派な物で金の刺繍糸が家計図の広がりを未だに輝かせていた。
時代は中世辺りにまで遡っており、その上部には「高貴なる由緒正しきブラック家。純血よ永遠なれ」と書かれている。
下の方に視線を向けると「シリウス」と描かれた所にあろう顔のところは黒く焼け焦げている。
以前シリウスが言っていた「私が愚かでなければもっと早く結婚していた。」という言葉。
それを示すかのようにシリウスから線が延びその隣にアクアと描かれ、彼女の顔も載っていた。
レンがその焼け焦げた痕に手を伸ばせば籠は其方へと近寄り指でなぞるも直ぐに壁から離れた所に籠は移動する。
「お優しい母上が私が家出した後に抹消して下さってね…クリーチャーはその話をブツブツ話すのが好きなんだ。」
「家出?」
「16の頃だ。もうたくさんだった。」
レンは自分の知らないシリウスの子供の頃の話に耳を傾けた。
シリウスがどんな生活をしていたのか、気になった。
「何処に行ったの?」
ハリーは宙に浮くレンの乗った籠に軽く腰掛け、シリウスをじっと見つめていた。
「キミのお父さんの所だ。キミのお祖父さん、お祖母さんは本当によくしてくれた。私を2番目の息子として養子同然にしてくれた。学校が休みになるとキミのお父さんの所でキャンプした。そして17になると1人で暮らし始めた。叔父のアルファードが私にかなりの金貨を残してくれていた。この叔父も此処から抹消されているがね。多分それが原因で…まぁ、兎に角、それ以来アクアと結婚を決める時まで自分1人でやってきた。ただ日曜日の昼食はいつでもポッター家で歓迎された。最初はアクアとの結婚もあのお優しい母上が決めた婚約者だったからね、忌み嫌い合っていたんだが…運命とはおかしなものだな。」
「だけど…どうして?」
「どうして家出をしたか、か?」
シリウスは苦笑いし、櫛の通っていない髪を指で梳いた。