「ナルシッサ…そう、ナルシッサもブラック家だったのね。」
「純血家族はクレスメントを除き皆姻戚関係だ。クレスメントは…代々自分の家系の子としか結婚させなかった。その血の力を守る為にね。だが、他の親戚は既に滅び、アクアの兄、あれはクレスメントでいう出来損ないの子供だった。それ故、婚約者に相応しい家系を探し、同い年の私が選ばれた、という訳だ。…その隣のベラトリックスはアズカバンに居る。」
シリウスはそうとだけ言うと、それ以上言いたくないという様な表情をした。
「今まで一度も言わなかったね、この魔女が…」
ハリーはふと気になったのだろうそう零すと、シリウスは「私の従姉だったらどうだっていうのかね?」とぴしゃりと言った。
「私に言わせれば此処に載っているアクア以外の連中は私の家族ではない。この魔女は絶対に家族ではない。キミぐらいの年の時からこの女には一度も会っていない。アズカバンでちらりと見かけた事を入れなければ、だが。こんな魔女を親戚に持った事を私が誇りにするとでも思うのか?」
「ごめんなさい…そんなつもりじゃ…僕、ただ驚いたんだ。それだけ。」
「気にするな、謝る事はない。」
シリウスは口篭り、両手をポケットに深く突っ込んでタペストリーから顔を背けた。
「此処に戻って来たくはなかった。またこの屋敷に閉じ込められるとは思わなかった。…勿論、本部としては理想的だ。父が此処に住んでいた時に魔法使いが知る限りのあらゆる安全対策をこの屋敷に施した…」
「マグル嫌いなのにマグルの街の中にお家があるなんて珍しいわよね。」
レンがふと思った事を言えば、まさにそれだ。とシリウスは苦笑する。
「昔、この家を気に入りマグルから“譲り受けた”と、聞いている。まぁ純血主義者がマグル相手に譲り受けたという手段はお察しだな。」
「どうして此処を本部に?」
「ダンブルドアがレンが家と此処を繋いだ後に守り人になったんだ。ダンブルドアが教えない限りあの場所に出入りは出来ない。クレスメント邸から本部へもダンブルドアが場所を教えた者にしか出入りが出来ない。…クレスメント邸はそれが出来ないし、森の住民達もこれ以上あの屋敷が騒がしくなる事は望んでいないだろう。元々住んでいた者達を除けば、アクアが迫害され傷ついた者達を集め、住む事を許した森だ…人が嫌いな者が多い。」