「ふむ…思った以上に傷の魔法が悪さをしている様じゃ…レン、最近身に異変は感じておらんかね?」
「…笑ったりしませんか…?」
その言葉にダンブルドアは優しく「勿論じゃとも」と答えてくれる。
側に座るシリウスとリーマスにも視線を向ければ、彼らも頷いてくれた様だった。
純血主義者と見られる視線が心地良くなった事、酷い孤独を感じる事、その時は決まって傷が熱くなりヴォルデモートの声が聞こえる事…そしてあの夢の最後、暗闇の中で起こった事…。レンはゆっくりと話した。
誰もレンを笑ったり情けないと言ったりしなかったのがレンにはとても有り難かった。
「…その声が怖いっていうよりも耳障りで…自分の中に起こっている変化も、ヴォルデモートの言う変化なのかなって思えてきたら、自分が自分でなくなってしまう様で不安で…それに気を許してしまったら、何かしでかしてしまいそうで…。」
そこまで聞けば、ダンブルドアはよく話してくれたとレンに言ってくれる。
「レン、今はまだはっきりとした事をお主に話す事は出来ぬが、ずっとレンの事を調べておった。」
「私の事を?」
「そうじゃ。そう遠くもない来る未来の為に、の。その身に起こった出来事を誘発させておるのは、おぬしの傷に掛けられた魔法じゃ。」
治りが遅いのは特殊な魔法がかけられていると、マダム・ポンフリーが話していたそうだが、それがそうなのか…とレンはどこか納得してしまう自分がいた。
「その傷の全てに、レンの心を不安定にさせ惑わしては弱らせ、自分の下へ戻ってこさせるよう魔法がかけられておる。その証拠にお主の瞳が赤いまま戻らなくなっておるのじゃ…これはあまり良い兆候ではない。お腹と脚の傷だけでもフォークスの力を使わせてはくれぬか?あの癒しの力があれば傷も癒え、ヴォルデモートのかけた魔法も弱まる事じゃろう。」
「…でも…私だけそんな楽をして良いのでしょうか…私はセドリックを見殺しにしてしまった。それなのに私がそんな楽をしてしまっては、セドリックのご両親に申し訳が立ちません。お父様はあんなにセドリックを自慢してなさったのに…」
レンは目頭が熱くなるのを感じ、慌てて俯いてしまえばリーマスが優しく頭を撫でてくれた。