「レン、ディゴリー夫妻はレンの事もハリーの事も責めてはおらんかった。そればかりかレンが何度も助けようとしてくれていた事をハリーから聞いて感謝しておったくらいじゃ。そんなに自分を責める必要はない。」
「レン…キミは自分に厳しすぎるんだ。誰もレンの事責めたりはしなかっただろう?」
両手で顔を覆い、涙を流すレンの背をそっと撫でながらリーマスがそう言い、「他人に優しくするくらい自分にも少しは優しくしてやれ」とシリウスは小さく笑った。
「レン、それならワシも罰を受けねばならん。レンが行方不明になっていた4ヶ月、ワシはレンを見つける事が出来なんだ。そしてハリーもあの現場に送ってしまい、現状に至るまでになってしもうておる。…ルーピンとシリウスにワシは罰を貰わねばならんの。」
ダンブルドアのその声にレンはバッと顔を上げ、涙を流しながら「ダンブルドア先生は悪くない!」と否定し首を大きく横に振った。
「ならば、その現場に居合わせたレン、お主にも罪はない。勿論ハリーにもじゃ。」
レンはそれに渋々頷けば、何処からともなくフォークスがやってきてレンの膝の上に止まった。
そろそろ出番でしょう?そう言っている様な気がしてレンは小さく笑ってしまった。
「…フォークス、貴方に頼んでも良いの?…許してくれる?」
その言葉に応える様にフォークスは優しくひと鳴きすれば、その泣き声はレンの心に染み渡り心を軽くしてくれる様だった。
ソファにゆっくりとレンを寝かせ、シリウスが服をたくし上げ、腹部と脚の包帯を取ればその傷を露わにしてくれる。
フォークスはその傷を癒そうと、傷が軽い脚から順にその涙を流してくれる。
その涙の優しい温もりにレンは目の奥が熱くなるのを感じ、腕で瞳を覆い隠した。
「こんなに魔法が進行するまで…よう頑張った。」
「私が頑張ったんじゃありません。皆が沢山気遣ってくれて…」
ダンブルドアはレンの腕の包帯を優しく撫でてくれる。
「レン、あの魔法の親玉は此処じゃ。ここはフォークスでも癒す事が出来ぬ。これはレンに様々な試練を与える事じゃろう…じゃが、ワシはレンならそれを乗り越え、いつものレンで居続けられると確信しておる。」
「…どうして?」
「レンは昔のレンじゃないからの。2人の父親から沢山の愛を毎日注いで貰うておる。それはヴォルデモートが持たぬ大きな武器じゃ。」
「…最近叱られる事が多いですよ?」
レンが少しだけ唇を尖らせてそう言えば、ダンブルドアは楽しそうに笑い「それも愛じゃよ」とレンに教えてくれ、シリウスとリーマスも顔を見合わせれば声を上げて笑った。
暫くすれば傷が癒え、傷のあった場所には確かに傷があったと判る様に紫色の線が残っていた。
それはかけられた魔法の痕跡で、次第に薄まっていくんだと言う。
レンは傷を癒してくれたフォークスの頭を撫でお礼を言えばフォークスはダンブルドアの所へ飛んでいく。
その後ダンブルドアは騎士団員と話があると、レンに小さな小瓶を飲む様にと手渡し本部の方へ姿を消していってしまった。
レンはダンブルドアにもお礼を言い、部屋まで送ろうというリーマスに、大丈夫と言えば1人で部屋まで戻っていった。
ハーマイオニーの隣に戻った時、その小瓶の中身を飲み干せば強い睡魔に襲われ、レンはそのまま眠りに就いた。