第17話
次に目を覚ました時は丸1日経っていた。
目を覚まし辺りを見渡せば、眼鏡をしていなくとも辺りがちゃんと見える様になっていた。
フォークスの涙でも使った魔法薬だったのだろうか?
あの瓶の中身がなんだったかは判らないが、隣で気持ちよさそうに眠るハーマイオニーの寝顔にレンは頬を緩ませては、起こさぬ様に静かにリビングに下りていく。
其処には誰もいなかったが、1匹の梟がずっとレンの事を待っていたかのようにホーっと不機嫌な声を漏らす。
「ごめんなさい。待たせてしまったようね。」
レンは梟の持っていた手紙を受け取れば、その子に食事と寝床を提供した。
梟が寝床で仮眠を取り始めれば、レンはその手紙の中身を読み始めた。
その内容に小さく笑みを零せば、レンは何処からか引っ張り出してきた正装に着替え専用のマントを羽織るとブーツの紐をきつく締めなおした。
漆黒のこの服はあまり好きではないが、公の場にクレスメント家当主として出向かねばならないのだ、我侭も言っていられない。
それからレンは不死鳥の騎士団本部へとそのまま足を向ける。
「皆様、ごきげんよう。」
レンはそう気品ある装いで声をかければ、その場に居たアーサー、モリー、シリウス、リーマス、トンクス、ハリーが皆驚き止ったので、レンは噴出し笑ってしまった。
「レン、梟が手紙を持っていてね。私達には受け取らせてくれなかったんだが…受け取ったかい?」
リーマスがその服装を見ながらそう言えば、レンは小さく頷く。
「誰からだったんだ?」
「コーネリウス・ファッジ魔法大臣閣下よ。私に裁判に参加して欲しいって、その案内状だったから、これに着替えてきたの。」
「ハリー!もう何も心配は要らない。レンが来てくれるのなら太陽が逆から昇ってもハリーは退学処分にはならない。」
「どういう事?」
はっきりとそう言うシリウスに、ハリーは小さく首を傾げる。
「こういう時のクレスメントの力は実に大きい。レンが一言正論に思えるようにハリーの無罪を主張すれば、その名に従うものは多い。クレスメントの当主を参加させる裁判なんて滅多にはないが…逆に言えば敵に回られると恐ろしい、という事だね。」
「レン、お食事はしていくでしょう?何か食べやすいものが良いわよね。」
リーマスが説明しているところにモリーはそう言うとレンに食事を用意してくれる。
レンはそれに微笑みお礼を言って食べ始めた。