今朝方、梟はハリーの下へ届いていない。これはわざと仕組まれた事だろう…レンは胃の辺りがムカムカするのを感じた。
「よろしい。被告人が出廷した…やっと。…始めよう。被告人、ハリー・ジェームズ・ポッター。今回の尋問はかのクレスメント家当主の御前で行われる。失礼のない様心得よ。」
「はい。」
そしてファッジは尋問を進めていく。まずは被告人ハリーの氏名と住所を読み上げ、その後尋問官のファッジ、アメリア・ボーンズ魔法法執行部部長、そして先程のドローレス・ジェーン・アンブリッジ上級次官、そして法廷書記のパーシー・イグネイシャス・ウィーズリー。
そこまで読み上げれば、それに続くように聞きなれた声が響き渡る。
「被告人側証人、アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア」
そう。ダンブルドアが来たのだ。ハリーはその声に驚きを隠せず勢い良く振り返り、あれは首が痛かっただろう…とレンは思ってしまう。
心を凍らせていなければ、思わず笑ってしまっていたかもしれない。
そしてハリーの驚きと同じ様にヴィゼンガモットのメンバーが騒めき、目という目がダンブルドアを見ている。
ダンブルドアの椅子が用意されていない事や「時間変更の伝令を受け取ったのか?」とあからさまに動揺を露わにするファッジに、あぁこれもわざとなんだなと思えば、やはりこの事件そのものがファッジが裏で糸を引いているのだろうと思えてしまう。
「いや、受け取ってはおらんかった。これ幸いに数時間前に此処に来ておったのでの。」
「よろしい。罪状は以下の通り。被告人は魔法省から前回同様の咎にて警告上を受け取っており、被告人の行動が違法であると十分に認識し、熟知しながら、意図的に、去る8月2日9時23分、マグルの居住地区にて、マグルの面前で、守護霊の呪文を行った。これは1875年制定の『未成年魔法使いの妥当な制限による法令』C項、ならびに『国際魔法戦士連盟機密保持法』第十三条の違反に当たる。」
ファッジは先程読み上げたものをひとつひとつ間違いないか?と訊ね、ハリーも「はい。」と返事をするが、その後言葉を付け加えようとする前にファッジが事を進めてしまう。
これではあんまりだ。
守護霊をちゃんと出せたかという質問に、ハリーはもうやけくそ気味だった。
守護霊の魔法をもう1年以上出せている事にヴィゼンガモットのメンバーは驚きを隠せていなかった。