第18話
「ミス・クレスメント。貴女は同じホグワーツに在学とお聞きします。失礼ながら貴女様はご覧になった事がおありなのですか?」
マダム・ボーンズがレンに視線を向けそう声をかける。
「えぇ。立派な角を持った牡鹿の姿を拝見させていただいた事があります。」
驚きだとマダム・ボーンズの声にファッジは苛々した様子でマグルの面前であからさまに使用した事の方が驚きだと言い放つ。
それに何人もの魔法使いが頷いている。
「吸魂鬼の所為なんだ!」
ハリーは誰にも邪魔されぬ様大声でそう言うが、気持ち悪い程の沈黙が走る。
「キミ、どういう事かね?」
「路地に、吸魂鬼が3匹いたんです。そして、僕と僕のいとこを襲ったんです!」
「あぁ。」
ファッジが冗談を楽しもう、そう言っている様なニヤニヤした表情で法廷内を見渡し、その表情の所為でレンから感情が消え失せたのではないかと思う程、冷たい表情に変わる。
自分も見た、そう言おうと思った時、ダンブルドアと目が合えば、その瞳は「言ってはならぬ。まだ黙っておれ。」そういう様に小さく顔を横に振る。
「リトル・ウィンジングに吸魂鬼?訳が判らない…。」
マダム・ボーンズが度肝を抜かれた様な声を出す。
「そうだろう、アメリア?説明しよう、この子は色々考え抜いて吸魂鬼が中々うまい口実になるという結論を出した訳だ。まさに上手い話だ。マグルには吸魂鬼が見えないのからな。そうだろう、キミ?好都合だ、まさに好都合だ…キミの証言だけで目撃者はいない。」
「嘘じゃない!」
其処にいるレンだって見ていた!とハリーが言いかけると、ダンブルドアが咳払いをし「実は路地に吸魂鬼が存在した事の証人がおる。勿論、ダドリー・ダーズリーの他に、という意味じゃが。」
とダンブルドアはいつも通りの穏やかな声色でハリーの言葉を遮った。
「残念ながらダンブルドア、これ以上戯言を聞いている暇はない。この件は早く片付けたい。ご多忙のミス・クレスメントもいらっしゃるのだ。」