「聞いておる。確かに聞いておるが、あり得ぬ事だ。魔法省の管轄外にある吸魂鬼もいない!」
「それならば魔法省は必ずや徹底的な調査をなさる事でしょう。3人の吸魂鬼がなぜアズカバンから遠く離れたあの場所にいたのか、を…必ずや調査をなさると信頼しておる。」
怒りで顔を真っ赤にしているファッジに礼儀正しく言葉を紡ぎ続けるダンブルドア。
客観的に見ても、冷静な方を信じられるのではないだろうか?だが、ファッジの策により今やダンブルドアは呆けて戯言を言う老いぼれ…そんな扱いを受けている。
やっぱり私がここは証言するのが一番なのではないだろうか…?そう思い立ち上がろうとすれば、ダンブルドアの視線がレンに向き、小さく首を振る。
ハリーもそれを不思議そうにしていたが、大人しく椅子に座り直すレン。
確実に、魔法省に、ファッジの味方をしている、ファッジを信じている…そう思わせながらもハリーを守る発言をしなけらばならない。そういう事なのだろうか…?
レンのその考えがダンブルドアにも判るのだろうか?彼は小さく頷いて見せる。
それと同時に、ファッジは決定的な一言が欲しいのだろう「ミス・クレスメントはどうお考えですかな?」と言う声が法廷内に響き渡ると、周りの大人達は緊張した様にレンを見た。
その視線はレンをレンとしてではなく、クレスメント家当主を見ている目だった。
「気になる点が数点あるのですが…。」
「宜しいとも。是非ともご意見を頂戴したい。」
「他の皆様方…わたくしの様な若輩者が多くの大人の皆様に気になる点を質問や意見させていただく失礼を、まずは先にお詫びさせて下さい。」
レンは礼儀正しく頭を下げれば魔法省を立てようと意見してくれていると判っているのか、多くのメンバー達が「お止め下さい」や「とんでもない」という様な声が上がり、レンはゆっくりと頭をあげる。
「まずはダンブルドア先生、何もファッジ大臣は自分の見解を決めつけそれを押し付けようとしている訳ではないのはご理解いただけますか?」
「おぉ、よう判っておる。ワシもそう信じておる。」
いつものレンに見せてくれるダンブルドアの姿にレンはほっと息を吐く。