「大臣ともあろうお方の目が曇るとはわたくしは思えませんの…ダンブルドアもそう思っていただいているのなら安心致しました。確かに法律にもございます通り、未成年者が命の危険を感じ取った場合は魔法の使用を許可されておりますわ。ミスター・ポッターは吸魂鬼と遭遇したと主張されております。」
その言葉に先程のアンブリッジ上級次官が口を挟もうとし、レンは、「大臣の仰る通りのただの勘違いだったとしても、それが書かれているのは事実です。それを認めないのは大臣のお立場を悪くさせてしまいますわ。」と強調する様にゆっくりと言えば、彼女は口を閉じる。
「実際に吸魂鬼と出会った際の症状に陥った証人もいらっしゃいましたわね。それならばその現場に、その症状に陥らせる魔法の使用があった筈です。その記録は?」
マダム・ボーンズは「そういった記録は残っておりません」とはっきり言ってくれレンはいつもの冷たい笑みを浮かべて軽く頭を下げてお礼を言う。
「ならば、ミスター・ポッターは大の大人と1人のマグルを魔法を使わず吸魂鬼の症状に陥らせられる術があった…という難しい状況になってしまいますわね。あの症状を魔法を使わず起こすのは難しいですもの。ミスター・ポッター。1つお聞きしてもよろしいですか?」
「うん…あ、はい。」
レンはそれに小さく笑ってしまうも言葉を続ける。
「証人マダム・フィッグとは関係はございますか?」
「無いよ。ただ近所に住んでいるおばさんだった。だからあの時現れた時僕は驚いた、んです。僕のいとこを家へ連れ帰るのに手間取ってる僕を震える手で支え助けてくれた以外、会っても話してもいません。」
「その言葉に嘘偽りはありませんね?」
「ありません。」
ハリーはいつもの様にレンに話してくれる様な態度ではっきりとそう伝えてくれる。
「2人が裏で糸を引いている…その可能性も無い様ですわね…。先程から魔力の監視をさせて貰っていましたが嘘独特の魔力の揺らぎも感じませんもの。勿論、魔法省の管轄する吸魂鬼が襲ったなんて恐れ多い事、わたくしは考えている訳ではありませんわ。わたくしの信頼している魔法省が、その様な事をなさる筈がありませんもの。ですが、この矛盾点が解決なさってからの処置をなさると…1人なら魔法を使わず逃げれたものを、マグルを守ろうとしたミスター・ポッターの行動の評価も、わたくしの親愛なる大臣ならばそれなりに考えてくださっていると…信じておりますわ。」
レンがそう言葉を紡げば周りはザワザワとざわめき始めた。