「確かにこの歳になって、家族で寝るなんて恥ずかしい事なんでしょうけど…でも、行ったら半年も逢えないんだもの。今までなかったのだから別に今日くらい良いでしょう?」と言うレンの我儘に、子供の頃そうしてこられなかった事もあってかシリウスは断る事なくいつも一緒に眠ってくれた。
「シリウス…。」
ハリーの穏やかな寝息が聞こえ始めた頃、レンが小さな声でそう言うと、シリウスはレンの方を向いては「どうした、眠れないのか?」と優しい声。
「んー…シリウスはこの前、ルシウスの発言を…懐中時計を通して聞いていた…のよね?」
「あぁ。状況も把握できていたし、レンが切らないでいてくれて助かった。」
それにレンはシリウスの胸にすり寄れば、どうした?とシリウスは小さく笑う。
「…この間…教科書を買いに行った時…ドラコと話をしていたって言った時…覚えている?」
「1人で飲み物を買いに行った時だったか。」
「そう。…あの時ドラコが…謝ってくれたの。何も聞かされてなかった。キミは親の愛に飢えて泣いていたのに、それを奪っていたのは僕の父上だった…って。」
その発言にシリウスはそっと髪を撫でてくれ「謝ってくれてもその時は帰ってこない。」とぽそりと呟く。
「えぇ…そうね。…でも…あの時少しだけ感じた違和感が、ドラコとの話で判ったの。」
「違和感?」
「えぇ、ルシウスは…母が魔法省に行って自害したってあの時言ったわ。その時ね、言ったのよ…綺麗なお身体って。」
その言葉にシリウスは少し身を離してはハッとした様な表情をする。
「ドラコが教えてくれた。ルシウスが…ルシウスの言葉に引けなくなった母さんが、ルシウスとナルシッサの前で自害したって。…あの言葉からして、ルシウスは、取引の材料として母の遺体を保存して隠している…そう感じるの。」
レンがそう言うとシリウスは何かを考えているのだろう、黙ってしまえば、レンはその頬に手を添えて意識をこっちに戻すと、シリウスの視線がレンを捉える。
「十分に気を付けて。母の体を取り返すのは、大切な事よ。でも…ハリーや私も、シリウスを失いたくない。水晶玉で見た光景は回避できたわ。でもあの映像と、シリウスが死んでしまうかもって思った瞬間のあの気持ちが…拭たくても拭えない。死は怖くない事、死よりも大切な事があるのは判るわ。でも…」
そういうレンにシリウスはフッと優しく笑めば「安心しなさい。」と撫でてくれる。
(P.59/全P.208)
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