「どうしたの…?」
ハーマイオニーがレンの様子にそう聞くと「シリウスの香りがして…どれだけ親が大好きなのかしらってあきれていたの。」と言えば、ハーマイオニーは小さく笑う。
レンのその様子をスラグホーンも見ていたのだろう、微笑めば頭を優しく撫でてくれた。
「さて、さて、さーてと。皆、秤を出して。魔法薬キットもだよ。それに上級魔法薬の…」
そこまでスラグホーンが言うとハリーが手を挙げ「先生。」と声をかける。
「ハリー、どうしたのかね?」
「僕は本も秤も何も持っていません。ロンもです。…僕達NEWTが取れると思わなかったものですから…あの…。」
「ああ、そうそう。マクゴナガル先生が確かにそう仰っていた。…心配には及ばんよ、ハリー。全く心配ない。今日は貯蔵棚にある教材を使うといい。秤も問題なく貸して上げられられるし、教科書も古いのが何冊か残っている。フローリッシュ・アンド・ブロッツに手紙で注文するまではそれで間に合うだろう。」
スラグホーンはそう言い角の戸棚に歩いて行き、中をガサガサと漁ると、だいぶくたびれた 感じのリバチウス・ボラージ著の上級魔法薬という本を二冊引っ張り出して、黒ずんだ秤と一緒にその教科書をロンとハリーに渡した。
レンの家にある地下の本棚にある本と同じぐらいだと、レンは小さく笑んでしまった。
そう、この教科書には見覚えがあった。
母の走り書きと思える書き込みがいくつもあった本で、自分を産んだ事を悔やんだり色々な事を悩んでいるだけの字ではないその字が嬉しくて何度も読み返していた。
その時は内容をあまり理解出来てはいなかったが走り書きの内容はよく覚えている。
懐かしそうにレンは自分の教科書を指先で撫でた。
「さーてと、皆に見せようと思って、いくつか魔法薬を煎じておいた。ちょっと面白いと思ったのでね。NEWTを終えた時にはこういうものを煎じることができるようになっているはずだ。まだ調合したことがなくとも、名前くらい聞いたことがあるはずだ。これがなんだかわかるものはおるかね?」
スラグホーンがスリザリンのテーブルの傍の大鍋をさせば、そこにはただ湯が煮えたぐっているような大鍋がある。
その言葉に手を挙げたのはレンとハーマイオニーだった。
(P.86/全P.208)
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