「姫君…ですからルシウスめがご忠告させて頂いたのですぞ。その選択が何を意味するか…大切なものを全て失いかねない選択だと…」
すっと身を隠していたルシウスは姿を現しそうレンに言葉を投げかける。
「私の…所為?」
確かにそうだ。初めからルシウスの言う事を聞いていれば…もしかしたら護れたかもしれない。
単身ハリー達を追い返す為に待ち伏せたりしなければ、捕まったりしなければ…皆、怪我もせずに済んだだろう。
「此方側に来ていただければ、守る事も出来たでしょうに…姫君の「黙れ!」」
レンを責める様に言葉を続けるルシウスに、リーマス初めて怒鳴り声を上げレンは瞳を丸くした。
レンの瞳が動揺の色を示し揺れ動くのに黙っていられなかったのかもしれない。
「それ以上、我が友を愚弄する事も、我らの娘を責め立てる事も、私が許さない。」
「人狼の娘とは、姫君も酷く愚弄されたものだ。お前は最初に姫君に杖を向けた男。それが何を偉そうに。」
ルシウスはレンと話す時とは違い、酷く冷たく言い放ち、レンはシリウスを抱きしめる腕に力が入る。
そんな姿を見て、ルシウスはいつもの様にレンに微笑む。
「さぁ姫君…今からでも遅くはありません。我々と共に行きましょう?今がその時なのです。…さもなければ…」
ルシウスは笑みを消し、冷たい表情にすれば、真っ直ぐにリーマスへ杖を向ける。
ルシウスはその先の言葉を紡ごうとはしないが、レンはその言葉の続きが判ってしまった。
さもなければ、この者にも生贄になってもらうしかありませんな…と。
ヴォルデモートは言っていた。
レンが信じ愛する者を全て失った時が自分の元へと来る時。それを楽しみに待っていると…。
もしこのまま拒み続ければ、シリウスやリーマスも逝ってしまうのだろうか…?
(P.16/全P.49)
前へ | 一覧へ | 次へ