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「私…」
「レン、私との約束は覚えているね?」
リーマスは杖をルシウスに向け、鋭く睨みつけながらも、レンに優しく声をかける。
リーマスとの約束…
そう、それは二人でたくさんの時を生きる事。
リーマスは今までレンとの約束を破ろうとも破った事も無かった。
それを敢えて今言うという事は、自分は大丈夫だと、信じて欲しいと言っているのかもしれない。
腕の中のシリウスも温もりを取り戻しており、自分とレンの間に挟まれている手が動きレンは抱きしめる腕を緩めた。
「ルシウス…私…」
「さぁ、姫君。」
「私…もう誰も失いたくないの。」
「えぇ、判りますぞ。」
「だから…父を裏切る事はどうしても出来ないわ。」
「そうでしょうとも。貴女の帰るべき場所は此方側なのですから。」
やっと判っていただけましたかと言うルシウスに、レンはにっこり笑うと、シリウスの片腕が動いてはルシウスに武装解除魔法を放ち、それに焦りの色を見せたのはルシウスの方だった。
「残念だったな、マルフォイ。私の娘の様な良い女は、お前ら死喰い人には勿体なさすぎてくれてやる訳にはいかない。」
そう言いながらレンと共に立ち上がり、ふらついたシリウスをレンは抱きとめると、シリウスはフッと笑ってはレンの頭に頬を擦り寄せ「愛娘なもんでね。」とニヤリと笑うと、ダンブルドアもホッと息を吐いては魔法を唱え他の死喰い人と同じ様に縛り上げ纏める。
レンはシリウスをリーマスに任せるとルシウスの方に向かい膝をついては縛られ座らされている彼と視線を合わせる。
「ルシウス、ごめんなさい。今の私にとって大切な人は2人の父親がわりよ。彼らを裏切る術は私には持てない。幼い頃から飢えて乾いた心を潤してくれた大切な仲間と家族を裏切れないし、私はこの命に代えても彼等を守ってみせる。…貴方が死喰い人に戻らなかったら…母の事を知らぬままだったら…ドラコと同じ様に私にも接してくれていたら…きっと其処にはルシウス、貴方達家族も入っていたかもしれないわ。」
レンは切なげにそう言っては瞳を潤ませ、彼に背を向ければリーマスに支えられ立つシリウスの胸に飛び込んでは強く力任せに抱きしめる。


(P.17/全P.49)
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