「貴方が言っていた事が真実だって、今では誰もが知っているでしょう?ヴォルデモートが戻ってきたと言ったことも正しかったし、この二年間に貴方が2度もあの人と戦って、二度とも逃れたことも本当だし、魔法界全体が認めざるを得なかったわ。そして今はみんなが貴方のことを『選ばれし者』と呼んでる。…さぁしっかりしてよ。皆が貴方に魅力を感じる理由が判らない?その上貴方を情緒不安定の嘘吐きに魔法省が仕立て上げようと、散々迫害したのにも耐え抜いた。あの邪悪な女が、貴方自身の血で刻ませた痕だってまだ見えるわ。でも貴方は、兎に角節を曲げなかった。」
ハリーはそう言うハーマイオニーに顔を赤くしていた様で、レンは皆がハリーの事を迫害するのではなく、やっと認めてくれた事が嬉しい反面、周りがどんどん変わっていき、自分だけ何も変わらない取り残されている様なそんな感覚に襲われてしまう。
「魔法省で脳みそが僕を捕まえた時の痕、まだ見えるよ、ほら。」
ロンは腕を振って袖をまくったが、ハーマイオニーはロンを無視した。
「それに夏の間に貴方の背が30センチ伸びた事だって悪くないわ。」
「僕も背が高い。」
「ふふ。誰もロンに魅力がないなんて言ってないわよ。」
レンがそうフォローをすると、ロンはどこか照れたように頬を赤らめた。
そんな時、郵便フクロウが到着し、雨粒だらけの窓からスィーと入ってきては皆に水滴をばら撒いた。
大多数の生徒がいつもより沢山の郵便を受け取っていた。
親や家族が自分達は無事だとそう言う手紙を送っているのだろう。
レンの所にも大量の手紙が届いている。だが、その手紙はどれも家族からの手紙ではない。
いくつかは魔法省からいくら捜索しても見つからない行方不明人の捜索協力願い。
そしてその他は名も顔も知らぬどこぞの魔法使いからレンのご機嫌を伺うお手紙だ。
宛名を見れば手紙を選り分け、まずは知らない人の手紙をとりあえず開封し中身を一目見れば次のを…と繰り返し最後に魔法省の物だけになるとそれを一瞬で燃やして消してしまう。
「どうしたの?」
ハリーは驚いた様に目を丸くするが、レンはその手紙が不快だったと言いたげに顔を顰めた。
「知らない人からご機嫌伺いとお見合いのお手紙よ。」
自分の目の前の皿を片付ければ魔法省の手紙と同封されていた捜索人の写真に手を当て瞳を閉じる。
そしてそれに血の力を使い魔力を探れば、それを新しい手紙に書き始める。
こんな作業が何度も続いている所為か、これが魔法省からの手助けの依頼だという事はハリー達は理解しているようで何も言いはしなかった。
魔法省からの手紙を持ってきた梟はちゃっかりとレンの頭の上に止まり、返事が書かれるのを待っている。
封筒に入れ宛名と差出人を書いてから淡いゴールドの蝋を垂らして指輪を外すとそれで印をし封蝋する。
(P.102/全P.208)
前へ | 一覧へ | 次へ