第24話:アラゴグの気持ち
レンはその大きな椅子の上で脚をぷらぷらと揺らして様子を眺めている。
ファングはハリーが座るとすぐにハリーの膝の上に顎を乗せ、今度犬になったらやってみようかしら。と思う自分に驚き、慌ててそこから視線をそらしてしまう。
「で、何のつもりだ?俺を可哀想だと思ったのか?俺が寂しいだろうとか思ったのか?」
「違う。僕達、会いたかったんだ。」
ハリーは即座にそう言う。
「ハグリッドがいなくて寂しかったわ!」
ハーマイオニーはおどおどと行った。
「寂しかったって?あぁ、そうだろうよ。」
ハグリッドがフンッと鼻を鳴らし、ドスドスと歩き回りながらひっきりなしにブツブツ言い、巨大な銅のヤカンで紅茶を沸かした。
やがてハグリッドは、紅茶と手製のロックケーキを一皿4人の前に叩きつける様に出し、ハリーはすぐにそれに手をつけ、レンはもう我慢できないと言いたげに、笑い声をもらせば4人の視線がレンに集まる。
「ハグリッド、怒っている態度なのに行動は歓迎してくれていて、さっきからちぐはぐよ?ホントにもう。怒ってないのに意地はってそんな態度をしてはダメだと思うわ。それにそんな風にジャガイモを剥いたらジャガイモが可哀想。」
紅茶を頂きながらレンがにっこりとそう言うと、ハグリッドは深く溜息を吐く。
「お前さんか、ハリー達を此処に連れてきたのは、え?」
「んー?みんな自分の意思で此処に来たのよ。みんな大量に出された宿題やら選抜やらハグリッドに逢いたくて一生懸命処理したの。」
「なんでお前さんだけ1人で来れた?」
「私、無言呪文使えるもの。そのお陰で他の皆より随分と楽なのよ。宿題も空いてる時間に片付けられたし。」
そう言うと、ハグリッドは小さく唸り反論できない様だった。
「ハグリッド、本当にごめんなさい。私たち魔法生物飼育学を続けたかったのよ?どうしても時間割にはまらなくて…。」
ハグリッドはジャガイモを恨みの篭った様な乱暴な剥き方をしながら、フンッと言い何も言わなくなってしまった。
「ハグリッド、アラゴグはあれからどう?」
「ん。レンが用意してくれたもんで、ちぃとは良くなったみてーだが…まだ安心できる状態じゃねえ。」
「アラゴグがどうしたの?」
ハリーはそう言うと、ハグリッドは思わず泣き叫び、ハーマイオニーは慌ててハグリッドに駆け寄ってその背を撫でてやっていた。
「アラゴグ…あいつよ…しにかけちょる…この夏、具合が悪くなって…レンも手を貸してくれてるが全快しねえ…あいつに、もしもの事が…俺はどうしたらいいんだか…俺たちはなげー事一緒だった…。」
ハーマイオニーはハグリッドの方を叩きながらどう声をかけていいやら途方にくれた顔だった。
「何か……何か私達に、できることはあるかしら?」
ロンがとんでもないとばかりに、しかめっ面で首をめちゃくちゃ横に降るのを無視してハーマイオニーが尋ねた。
「なにもねえだろうよ、ハーマイオニー。あのな、眷属の奴らがな…アラゴグの家族だ…あいつが病気だもんで、ちいとおかしくなっちょる…落ち着きがねえ…」
「私は?癒しの力でどうにかなるかもしれないじゃない?アラゴグは私にアクアには恩があるって言っていたもの。…私行ってくるわ」
(P.109/全P.208)
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