その日の夕食はハリーはロンを元気付けようと必死に頑張っていたが、ロンはあんなに意気消沈していたのにハーマイオニーを意地の悪い不機嫌な態度をとることに忙しくて気付いていない様だった。
談話室でもそれが続いたが、健闘虚しく、今度は怒ってロンを挑発する作戦に出た。が、ロンはもっと落ち込み寝室へと戻って行った。
ハリー曰く、チェイサーの放つシュートをロンは一つも防げないばかりか、八つ当たりをするかの様に誰彼構わず大声で怒鳴りつけ、デメルザ・ロビンズを泣かせてしまい、ビークスがロンに食ってかかるという事件があったらしい。
ハリーはロンがいなくなればチーム全体が落胆するだろうと思っていたが、その考えすら怪しく思えてくる事件だった。
「これは…ダメね。ロンは思い込むとそれに突っ走ってしまうから。」
「そうなんだよ…。なぁ、レン。何か良い方法ないかい?明日は兎に角ロンに自信をつけさせてやれば出来るってところを見せてやらないと、チームとしてもロンの居場所がなくなってしまう。」
それにレンはうーんと小さく考えれば、悪戯っぽい笑みをハリーに向ければ、胸元のポケットに入れっぱなしの小瓶を取り出してハリーに見せた。
「レン、競技中にそれを飲んではいけないのを忘れたのか?」
ハリーは信じられないと言いたげな表情をレンに向けるが、レンは知ってるわ。と一言。
「誰が飲ませるって言ったの?貴方が今これを見て『飲ませる』と信じた様に、ロンにもこれを見せて飲ませられた、と信じこめば良いのよ。飲ませていない証拠は、蝋できっちりと栓をされたコルクを見せれば証明出来るわ。」
それにハリーは表情を明るめ、レンを力の限りに思いっきり抱きしめた。
「ナイスアイディアだ、レン!これはいけるぞ!」
「え?あ、あぁ…そうね。」
「それじゃ僕、明日に備えて休むよ。おやすみレン。有難う。」
そう言いレンの頬に口付けにっこりと笑うハリーが寝室まで行く姿を、レンは予想外の出来事に顔を赤くさせて見送った。
(P.135/全P.208)
前へ | 一覧へ | 次へ