第30話:ドラコ
「レン、そろそろ朝食を取りに行かない?…ほら、起きて。」
ハーマイオニーにそう起こされ、レンはまだ寝ていたいとハーマイオニーに甘えるが、ハーマイオニーは小さく笑いながらも布団を剥いで起こし、レンは寝癖のつけた髪で寝ぼけた顔をしながら目をこすり欠伸を1つする。
ハーマイオニーが髪を梳かして整えてくれている間にレンは着替え終えれば2人で大広間へと降りて行った。
大広間は晴れた薄青の空で幸先の良い天気だった。
「ハリー、ロン、おはよう。」
レンは眠そうな声でそういえばハリーは小さく笑い「おはよう」と返事をし、ハーマイオニーはロンの後頭部を見つめている。
「2人とも調子はどう?」
遠慮がちに聞くハーマイオニーに「いいよ。」とハリーは答えるも態とらしくグラスの上で手を動かし、それをロンに渡した。
「ほら、ロン、飲めよ。」
ロンは口元にグラスを持って行ったその時、「それを飲んじゃダメ!」と鋭い声を上げるハーマイオニー。
「どうして?」
ハリーとロンがハーマイオニーを見上げ、ロンが不思議そうにそれを聞くと、ハーマイオニーが信じられないという顔でハリーをまじまじと見ていた。
「貴方今、その飲み物に何か入れたわ。」
「なんだって?」
ハリーが問い返した。
「聞こえたはずよ。私見たわよ。ロンの飲み物に、今何か注いだわ。今、手に瓶を持っているはずよ。」
「何を言ってるのか判らないな。」
ハリーは急いで小さな瓶をポケットにしまいながら言う。
本当にわざとらしいとレンは思い、思わず3人に背を向けて声を殺して笑ってしまう。
「ロン、危ないわ。それを飲んじゃダメ!」
ハーマイオニーが警戒する様に言うが、ロンはグラスを取り上げて一気に飲み干す。まるでハーマイオニーに言われたから反発する様な行動だ。
「ハーマイオニー、僕に命令するのはやめてくれ。」
ハーマイオニーにロンがそう言うが、ハーマイオニーはハリーの耳元に唇を寄せて何か2人が囁き合う。
そして荒々しくその場を立ち去ったハーマイオニーを見つめてからレンは2人に話しかけた。
「今日が最高の日になる様に祈っているわ。2人とも頑張ってね?応援してる。」
「うん。レン、有難う。」
ハリーは嬉しそうに微笑み、ロンもどこかにっこりと微笑んでいた。
レンはハーマイオニーのそばに座ると朝食を取り始め、本当信じられない!と憤慨しているハーマイオニーにレンは苦笑をする。
(P.136/全P.208)
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