「入れてないわよ、何も。」
「え?」
「入れたふりをしたの、ハリーはね。」
「ちょっと、どう言うこと?」
「ロンに自信を持たせたかったの。何をしても無駄だったロンが一発で自信を取り戻せる方法…これしかないでしょう?」
レンも胸元からその小瓶を取り出せばハーマイオニーにそれを見せる。
「ハリーを信じて?ハリーはクィディッチという真剣勝負にそんな反則は絶対に使わない。あとで小瓶を見せてもらうと良いわよ。ちゃんと蝋で栓がされているはずだから。」
それにハーマイオニーは、そういうこと…と小さく溜息を吐いた。
「ロンにとっては、そうね。確かに効果的かも。」
ハーマイオニーは納得した様にそういうと、周りの生徒達が騒ぎ始めレンとハーマイオニーは聞き耳を立ててしまう。
「聞いたか?スリザリンはベイジーが怪我でプレイ出来なくて、マルフォイは病欠らしいぜ?」
レンはそれを聞くと慌てて立ち上がり、ハーマイオニーが止めるのも聞かずに医務室へと走った。
マダム・ポンフリーに声をかけると、ベッドに腰掛け診療を受けているドラコの姿があった。
ドラコはどこか不服そうな顔をしていたし、マダム・ポンフリーの表情から見てそんな重症ではなさそうだ。
マダム・ポンフリーは「戻っても宜しい。」と一言言っていたが、ドラコはレンの姿をみせれば「少し気分が悪いので落ち着くまで休ませて下さい。」とベッドをひとつ借りては、そこに手招きされ、レンはゆっくりと其方へと近寄れば、いつもと変わらないドラコの視線がレンを捉えていた。
「なんだ、来てくれたのか?」
「え、えぇ…心配で。…どうしたの?大丈夫?寝不足なの?隈が出来ているわ。」
レンはドラコの頬に手を触れ心配そうに見つめるも、特に熱があるとかそういった感じではなさそうだった。
「たいしたことはないんだけどね…。…キミが来てくれるとは思ってなかったから驚いた。」
レンはそれに安心した様に息を吐けば、ドラコは意地悪っぽく笑う。
「僕に対して覚悟を決めるんじゃなかったのか?」
「それは貴方が私を攻撃するなら、よ。…まだ、殺されてあげる訳にはいかないの。」
「僕はレンを殺したりはしない。」
「あの人にそう言われるかもしれないわよ?」
「そしたら死んだって噂を流して知られない場所に監禁するね。」
「私はずっと監禁生活?」
「あぁ。ほとぼりが冷めるまで、ずっとな。」
「…子供の頃に戻ったみたいになるわね。」
レンがベッドの側の椅子に座り溜息を吐けば、ドラコはそんなレンをじっと見つめている。
(P.137/全P.208)
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