「大丈夫になるまで、ずっと側にいるわ。」
「うん。」
そう嬉しそうに笑み、それから2人は何も言わなくなった。
黄色い小鳥達が囀り、レンが杖を動かしてそこに白い小鳥を付け足せば仲良く囀り合っては円を描く様に飛んでいる。
突然扉が開く音がし、ハーマイオニーはレンの肩に顔を擦り寄せてからその顔を上げる。
「ハーマイオニー?」
「ああ、ハリー…こんばんは。…ちょっとレンと練習してたの。」
ハーマイオニーは壊れそうな声でそう言うと、小さくへらりと笑う。
「うん…小鳥達…あの…とっても良いよ。」
ハリーはなんて言ったら良いのか判らない様子だった。
「ロンは、お祝いを楽しんでいる様ね。」
「あー…そうかい?」
「ロンを見なかった様なフリはしないで…貴方が此処に来た事が見ていた証拠でしょう。」
ハーマイオニーは再度レンの肩に顔を埋め、小さく身を震わせ、レンは優しくその背を撫でた。
「ハーマイオニー…」
「…えぇ、判ってるわ…ごめんなさい、八つ当たりして…」
「うん。大丈夫。」
レンが落ち着かせようと優しく撫で続け、ハリーと視線が合えばお互い何を言ったら良いか判らなそうな表情をした。
突然背後の扉が開けば、レンは深く溜息を吐いてしまう。
「あ。」
ロンは3人に気付くとギクリとした様に急停止し、一緒にいたラベンダーは「あら!」とくすくす笑いながら後退りして部屋から出て行きドアを閉め他のと同時に、室内に恐ろしい沈黙が膨れ上がりうねった。
ハーマイオニーはロンを睨み付けていたが、ロンはハーマイオニーを見ようとはせず、空威張りと照れ臭さが奇妙に混じり合った態度でハリーに声をかける。
「よう、ハリー!何処に行ったのかと思ったよ。レンも見かけなかったし、一緒に居るんだと思ったんだけど…」
ハーマイオニーは立ち上がり「ラベンダーを待たせてはいけないわ。」静かにそう言うと背筋を伸ばしてゆっくりとドアの方へと歩いて行った。
「レン、行きましょ。」
「え、えぇ…」
レンがハリーの横を通り過ぎる際、ハリーは「ハーマイオニーをお願い。側にいてあげて。」と言い、レンはハリーに向かってにっこりと微笑んだ。
ロンの方をちらりと見るとこの程度で済んでホッとしたと言う顔をしている。
「オバグノ!襲え!」
ハーマイオニーは鋭くそう言うと、小鳥が黄金色の弾丸の様に次々とロンを目掛けて飛んで襲いかかれば「こいつら追っ払え!」とロンが早口に叫んだ。
しかしハーマイオニーは復讐と怒りに燃える最後の一瞥を投げ、レンを先に教室から追い出すと自分が出た後力任せにその扉を閉めた。
その瞳からは涙が溢れ、レンがその涙を指で拭えば胸に顔を埋めて涙をこぼした。
(P.143/全P.208)
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