第32話:誰と行く?

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凍りついた窓に今日も雪が乱舞していた。
クリスマスが駆け足で近付いてくる。
ハグリッドが大広間用の12本のクリスマスツリーを運んでいるのに気付くと、レンはハーマイオニーと一緒に歩いていた手を離し「シーッ」と指をやった後、そのモミの木にしがみ付いた。
急に幾分か重くなったもみの木に不思議そうにハグリッドが振り向けば、木の中から「わっ!」と声を上げて飛び出せばハグリッドは驚き、レンの髪をぐちゃぐちゃにするくらいに撫でくりまわし、それを見たハーマイオニーが思わず笑ってくれていた。
あの双子の様に、憂いが吹き飛ぶかのような笑いをもたらすのはレンにとってはまだ難しい事かもしれないが、少なくともあれから気落ちし続けて笑えていないハーマイオニーが、笑ってくれるのが嬉しく、思わず「へへ。」と小さく笑うと、ハーマイオニーはレンの意図に気付いているのだろう、目を細め「有難う」と言うが、レンはここで認めてしまうのも何か気恥ずかしくて「なんのこと?」とすっとぼけてしまった。
階段の手摺りには柊とティンセルの花飾りが巻き付けられ、鎧兜の中からは永久に燃える蝋燭が輝き、廊下には大きなヤドリギの塊が一定間隔置いて吊り下げられた。
ハーマイオニーはヤドリギの下を通ろうとはしなかった。
「どうして避けるの?」とレンが不思議そうにするも、貴女もそこの下を通ってはダメ。と念を押され腕を引っ張られて行く。
あの日以来、レンとハーマイオニーは図書室で時間ギリギリまで過ごす様になっていた。
「レン、髪がボサボサだけどどうしたの?」
ハーマイオニーと話したくなるとハリーは大体図書室に来てくれていた。
「あー…ハグリッドに悪戯したらやり返されたの。」
手櫛で一生懸命髪を元に戻そうとするも、それはまた癖がついた様にぴょんと跳ね、ハリーは小さく笑う。
「ねえ、レン…この訳ってこの時はこの言葉で良いのよね?」
「えぇ、そうね。この場合その言葉で合っているわ。」
ハーマイオニーは宿題をやり、レンは今し方、最後に残した魔法史の宿題が終わるとそれを鞄にしまい本棚の向こう側にこっそりと姿を消してから、まだ読んでいない本を持ってくるとハーマイオニーの隣に座ってそれを読み始めた。
「私、その馬鹿らしいプリンスとかいう人の事を言っているんじゃないわ。」
どうやらハリーと話をしている途中だった様で、レンは「なんの話?」と言いたげに其方を見遣る。
「ちょっと前に起こった事を話そうとしてたのよ。此処にくる前に女子トイレに行ったら、其処に10人くらいの女子が集まっていたの。あのロミルダ・ベインも居たわ。貴方に気付かれずに惚れ薬を盛る方法を話していたの。全員が貴方にスラグホーンのパーティに連れて行って欲しいと思っていて、皆がフレッドとジョージの店から『愛の妙薬』を買ったみたい。多分それ効くわ。」
あーそういえばそんなパーティがある事なんて忘れていた。と思わず思ってしまったレン。


(P.144/全P.208)
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