第38話:二人の時ぐらい僕を見てて。
少し歩いて立ち止まりそのまま空を見上げ続けていた時だ。
そっとレンの手に触れられレンが驚きそちらを見れば、ハリーだった。
「また空に行きたくなった?」
「手を取ってくれるって言っていたものね。」
それにハリーは微笑んで大きく頷く。
「今日は箒に乗ってないけどね。…どうしたの?」
「…あの日の晩みたいに…襲われたらどうしようって。この暖かい場所を壊してしまったら…」
「大丈夫だよ。その時は僕も護るし、それにダンブルドアが此処は最大限の守りが施されてるって言ってた。」
レンはそれに、そっか。と小さく呟くように零し、繋いでくれている手にぎゅっと力を込める。
「ハリー…少しだけ我儘言っても良い?」
「うん。どうしたの?」
「…もう少しだけ、一緒にこうしていて。」
「うん。喜んで。」
レンがそっとハリーに寄りかかるようにすれば、ハリーはそう言い口元を緩ませた。
「…マルフォイの事?」
「え?…あぁ、違うわよ。ハリーがよく手を繋いでくれるから、その温もりが癖になったのかもしれないわね。その温もりが恋しくなったの。」
そう戯けて言うレンに、ハリーは嬉しそうに目を細めて笑っていた。
「ねぇ、ハリー。」
「ん?」
「…んー…やっぱり何でもないわ。」
「なんだよ、気になるだろ。」
「有難う。って言いたかったのよ。私が空に想いを馳せている時に、気付いて手を差し伸べてくれて。」
「今度は出来たら飛んでくるよ。」
「ファイアボルトは怖いわ。」
速いんだもの。とレンが言うとハリーは僕に掴まってれば大丈夫さと可笑しそうに笑った。
(P.168/全P.208)
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