「そこの村の女の子も笑ってくれるわよ」
ジニーは何気なくそう言うと、ジョージとフレッドはジニーを睨み、ジニーはその理由が一瞬判らなかった様だが、直ぐにしまった!という顔をする。
「此処最近さ、親父の様な変わった魔法族向けにマグル向けの手品商品を売ってて、その商品の出来をね、その村で確かめに行ってたんだよ。」
「ん?」
「そこにいる女の子がさ、わー!すごい!魔法みたい!っていうもんでさ。」
「魔法だものね。」
フレッドとジョージが慌てた様にそう説明をするもレンは小さく首を傾げて返事をし、その肩に顔を埋め「温かくて眠たい」と眠そうに瞼を閉じるも、耳にはリーマスとハリーの声が何倍にも大きくされたかのように届いていた。
近くの村にいる仲の良さそうな女の子の話より、「スネイプ」という単語が聞こえた此方の話を聞いていたいと内心どこかで思ったのかもしれない。
「ほんとのこと言って、スネイプが好きなの?」
「セブルスが好きなわけでも嫌いなわけでもない。ハリー、本当の事だよ。アクアが此処にいたら、アクアは確実に好きだと言っていただろうがね。ジェームズ、シリウス、セブルスの間にあれだけ色々なことがあった以上、おそらく決して親友にはなれないだろう。あまりにも苦々しさが残る。しかしホグワーツで教えた一年間の事を私は決して忘れない。セブルスは毎月私の為に完璧な薬を煎じてくれ、その作り方を完璧に作れるまでレンに教え込んでくれた。ホグワーツにいない間もその薬に不自由する事がなく、ね。お陰で私は随分と満月の間のあの苦しみを味わわずに済んだ。その事は感謝してもしきれない。それに私がキミ達を噛まぬ様身を張ってくれた。」
だがハリーは憤慨した様にあいつが偶然漏らしたせいでリーマスが学校に居られなくなったという様な事を言えば、いずれ知られてしまった。ハーマイオニーだって直ぐに気付いていただろう?とリーマスは肩をすくめている。
やろうと思えばもっとひどいダメージを受けさせる事だって出来た。だがスネイプは常にリーマスを健全に保ってくれていたという。
「そうする事が出来ないくらいの意気地なしなだけさ。」
シリウスが近くで聞いていたのだろう、そう話に入り、リーマスが苦笑したようだ。
「アクアは常にセブルスに絶対的な信頼を寄せていたから、余計にセブルスが悪く見えるだけじゃないのかい?」
「あれは関係ない。」
「セブルスはアクアがレンを身篭った時、いち早く慎重になるべきだと、アクアを説得し攫われた場から救い出す手助けをしてくれただろう?ジェームズ達のあの悲劇の日、レンを救い出して瀕死の彼女を必死に手当てしてくれたのもセブルスだ。アクアは言っていたよ。私はあの人程愛情を持った人を知らない。とね。まぁセブルス自身はどう思っているのかは私には判らないし、アクアのその言葉もまだ理解しかねているが…いつかは理解できるものだと思ってる。アクアが真面目に言う事に間違いはいつもなかった。」
私は理解したくもないがね。と言うシリウスの言葉と、ワームテールを信じた事以外はね。と言うハリーの言葉が重なる。
(P.173/全P.208)
前へ | 一覧へ | 次へ