レンは外の日向に座れば、杖を振るわずに小鳥を作り出す。
白い真ん丸とした愛らしい小鳥だ。
囀るその姿にレンは目を細めて小さく笑うと、ワンッと鳴き声と共に黒い大きな犬がやってくれは尻尾を振り、レンはその首に腕を回して抱きしめる。
「シリウス…私…」
「ミス・クレスメント!」
そう声をかけられて顔を上げれば、そこには近寄って来るパーシーとスクリムジョールの姿があった。
「実に絵になるお姿だ。…こんなところでお会いできるとは思わなかったよ。」
「スクリムジョール魔法省大臣とミスター・ウィーズリー。お久し振りですわ。…クリスマスのお食事にご招待いただいていましたの。」
「あぁ、それで。ところでミス・クレスメント、ポッターは此処に居るかね?」
「え?…えぇ…。」
レンが訝しげにそう言うと、人の良さそうな笑みを浮かべるスクリムジョール。
「ねぇ、パーシー…」とレンが声をかけようとするもパーシーは無視してスクリムジョールと共に裏口から中に入っていった。
レンはそれに溜息を吐くと魔法でどんどん動物を増やして行く。
黒い犬のシリウスはお座りをしてじっとレンを見つめ、レンはその優しげな瞳を見るのが好きだった。
見つめあってはへラリと笑うと、シリウスは目を細め、レンの頬をペロッと舐め、レンは擽ったいと思わず笑ってしまう。
「ねえシリウス。…私の存在が…2人の枷になっていたら…その時は迷わず私を切り捨ててね。…私は永くはないし、もう十分すぎるほど人としての幸せを2人の父親から貰えたわ。私の事よりも貴方達にも幸せになって欲しいの。」
そう、レンはシリウスの頭の上に白い小鳥を止まらせながら言うと、シリウスの瞳は大きくなり、驚いた様な表情を見せ、一瞬人の様な体制をとるが、すぐに聞こえてきた声に警戒する様に其方に耳が向いた。
「要するに、僕とレンが魔法省のために仕事をしている。という印象を与えたいわけですね?レンはそれを了承しているのですか?」
「あぁ、彼女は既に魔法省を認…」
ハリーが言葉の続きが解り嘘だと言いたげな表情をしたのと同時にと同時に小鳥が2人めがけて飛んでいき、驚いたスクリムジョールが言葉を止めた瞬間、その小鳥は襲う事なくパッと消える。
「ごめんあそばせ。杖が滑ってしまいましたわ。」
杖を持っていない手で平気でそう嘘をつき冷たく笑んで見せた。
(P.177/全P.208)
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