「こうは考えられない?」
「スネイプがマルフォイに援助を申し出るふりをして、マルフォイのやろうとしている事を喋らせようという作戦?」
「まぁ、そうね。」
ハーマイオニーが言った。
「ロンのパパもルーピンもそう考えてる。でも、マルフォイが何かを企んでいる事はこれではっきりと証明された。そしてその時にレンを襲う事も。これは否定出来ない。」
「出来ないわね。」
「それに奴は、ヴォルデモートの命令で動いてる。これはレンも同じ意見だったし。」
「んー。2人の内どちらかがヴォルデモートの名を口にした?」
「判らない。スネイプは君の主君とはっきり言ったし、他に誰がいる?」
「マルフォイの父親はどうかしら?」
「あり得ないわね。それならキミの父親って言う筈だわ。それにね、マルフォイ家にとってはとても大事な一人息子なのよ。それを駒に使うなら、クラッブやゴイルその他の生徒を使ってか私の弱みを握って私を従わせるかする人よ、ルシウスならね。2人の性格やナルシッサの脅えようから見ても、ドラコは父親と同じ道を歩み、ヴォルデモートに何か命令されたに違いないわ。そしてそれは…きっとダンブルドアも気付いている。だからあんなに憂いの色が見えているのかもしれないわ…ヴォルデモートはルシウスへの仕置としてダンブルドアにドラコを殺して欲しいはず。そしてダンブルドアはそれを叶えたくはない。…なんの証拠もない、私の推測だけれど。」
「うん、レンがそう考えてる事。スネイプがダブルスパイをしているんじゃないかって考えてる事をルーピンに話したら、とても驚いてたよ。そこまで…って。」
その言葉を聞いたレンは嬉しそうに目を細めた。
「ルーピンは元気?」
ハーマイオニーはそう聞くが「あまり。」とハリーが答える。
「ほとんど地下に潜って同類の仲間と一緒に棲んでるって言ってた。狼人間は殆ど全員がヴォルデモート側でね、スパイをダンブルドアが必要としていたから、スパイとして潜り込んでいるらしいよ。僕に手紙を書きたかったけど、書く事自体が正体をばらす事になるから、出来なかったって。こうして時々戻って来られるのは、レンをヴォルデモートの所に戻るように説得しに行ってる、って事になってるみたい。勿論、ルーピンは連れていくつもりもないし心配をかけたくないから話さなかったみたいだけれど。」
「そんな事だろうとは思っていたわ。今年は薬はいらないって言っていたし…変身しても差し支えないって事はそういう事だろうから…。」
「ルーピンはフェンリール・グレイバックっていう最も人を襲う事が好きなリーダーと一緒にいるみたい。ヴォルデモートは自分に使えれば代わりに獲物を与えると約束して、奴は子供専門なんだって。ルーピンも子供の頃にそいつに噛まれたって…。」
レンはその言葉に瞳を大きくし、思わず俯いてしまう。
「辛いでしょうね…だからあんなに疲れていたのかしら。私見当違いなお説教してしまったかも。…今度会ったら謝らなきゃ。」
レンは彼の気持ちを考えると思わず涙が溢れそうになるのをハリーはレンの頭をそっと自分の肩に引き寄せてくれ、レンはそこに顔を埋めて小さく身を震わせた。
「フェンリール・グレイバックって、昔から自分の家と親しくて、グレイバックがボージンがちゃんと取り組んでるか確かめるだろうって、マルフォイが言ってたあの人よね。」
「そうか!忘れてた!…これでますますマルフォイが死喰い人だって線が強くなった。もしそうでなければ奴と接触したりしない!」
「その疑いは濃いわね。ただし、嘘の脅しだった可能性もあるわ。」
「キミって、凄いよ、まったく…。でもレン、小さい頃にそんな人と会った事ある?」
「…判らない。すれ違った事くらいはあるかもしれないわ。紹介された人にはそんな人は居なかったと思う。」
「ハーマイオニー、レンがそう言ってるんだ。嘘の脅しじゃないって事だって強い。そのうち、キミも前言撤回って事になるよ。」
その後はルーファス・スクリムジョールと会った話をハリーはしていた。
ハーマイオニーもレンも魔法省の仕打ちを考えると顔を出せるなんていい神経をしている。そういう意見で3人の意見がまとまるとハリーはなんだか満足げだった。
(P.194/全P.208)
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