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その日一日中、その姿現しについての話題で、もちきりだった。
行きたい所に行きたい様に姿を現す事が出来る。それは彼らにとってとても魅力的なものの様だった。
確かに、煙突飛行が苦手なレンにとってはこれ以上有難いものはなかった。
それと同じ様にどれだけ嬉しい事だろうと幸福な想像で我を忘れたシェーマスは、その日の呪文学での清らかな水の噴水を作り出す課題を、勢いよく杖を振るってしまった所為で、散水ホースの様に水を噴き出させ、天井に跳ね返った水がフリットウィック先生を弾き飛ばしてしまい、先生はうつ伏せにべたっと倒れた。
レンは思わず声を殺して笑ってしまったが、先生は杖で服を乾かしながらも、シェーマスに「僕は魔法使いです。棒振り回す猿ではありません。」と何度も書く書き取り罰則を与えられてしまっていた。
談話室で、ロンはハリーが誰かと一緒に付き添い姿現しをした事があるとバラした所為で、ハリーは質問攻めになっていた。
レンは7時50分頃になると、そんなハリーの肩を叩く。
「今日中に返さなきゃいけない本があったんじゃなかった?時間、大丈夫なの?」
レンがそう言うとハリーは「有難う」と嬉しそうに声を出し「忘れた!ごめん、僕行ってくる。」と慌てて談話室を後にした。
「レン、スネイプ先生が呼んでるわ。直ぐに事務室まで来なさいって。」
宿題をやりながらハリーを待っていれば、そうジニーに言われ、レンは小さく頷くと立ち上がる。
「一緒に行きましょうか?」
「1人で行けるわ。大丈夫よ。」
そう言うと鞄に荷物を押し込み、レンは談話室を足早に後にした。
急いでスネイプの事務所の前に来れば息を整えてその扉をノックする。
「レン・クレスメントです。」
「これから校長室へと向かう。」
突然扉が開いたかと思うと、付いて来なさいと、そのまま校長室へと向かわされる。
今はハリーが個人授業を受けている頃だろう。
それをスネイプに言ってもいいのか…?
「スネイプ先生…。」
「何かね。」
此方を向こうとしないスネイプの背中にレンは話しかけると言葉は聞いているのだろう、返事だけが返ってくる。


(P.196/全P.208)
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