第46話:記憶

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レンが扉をノックすると「レンです。スネイプ先生に言われて来ました。」と一言声をかければ「お入り。」と優しい声が響く。
そこにはハリーとダンブルドアがいた。
「今、ハリーにの初めての宿題を与えておった所じゃ。丁度いい時に来てくれた。レン、キミには1つの記憶を紐解く事を手伝って欲しいのじゃよ。」
「…そう先生が仰るって事は…クレスメントの者の記憶なんですね?」
「その通りじゃ。この記憶はキミにとってとても辛いものになるやもしれぬ。それでも協力してくれるか?」
「ダンブルドア先生、その質問は愚問というものです。私はどんな事があっても先生の味方だと言ったじゃありませんか。」
レンは小さく笑うと、ハリーもダンブルドアもどこか嬉しそうだった。
ダンブルドアは2つのクリスタルの様なものに入った記憶を1つ憂いの篩に入れた。
「ハリー、キミも今後の為だ、一緒に来なさい。」
そう言われると「はい。」とハリーは返事をし、レンの隣に立ち一緒に篩の中を覗き込んだ。
入り込んだ場所は闇だった。
「先生、此処は…?」
ハリーは何度か篩に入っては記憶を見ただろうに不思議そうにしているあたり、普通に記憶を見る時とは違うのだろう。
「関係のない者には見せたくないと記憶の持ち主が封じておるのじゃ。」
ダンブルドアの声が響く暗闇の中にぽっ、ぽっといくつかのシャボン玉が現れ始め、そこにはまるで一つ一つが映画を流している様に物語が映し出されている様だった。
「レン、近くにあるものから触れてみなさい。」
ダンブルドアに促される様にレンはすっと寄ってきたそのシャボン玉に触れると薄い膜がパンッと弾け闇の中にその風景が広がっていく。
辺りは古い屋敷で、闇の香りがする場所…レンが一度だけ来たことのある所が映し出された。
「此処は…」
「本邸だと思うわ。…伯父が亡くなった時来た場所に似ているの。」
其処には1人の小さな女の子がテディベアを抱きしめて大粒の涙を流していた。
「レンの小さい頃に似てるね。」
「そう?」
自分では良く判らないと言いたげにレンは言うも、その明るい髪色とフワフワした髪は、過去に遡った時に会えた母に似ている。
そんな女の子の元へ車椅子がスーッと流れる様に進んでくると、彼女の抱えていたテディベアを取り上げては、近くに一緒に現れた男性に投げ渡し「こんな物を持っていてはいけません。」と笑顔で言う。
その声も笑顔もとても冷たいもので、逆らう事は許さない。と言っている様だった。
「は、はい。おかーさま。」
「涙は見せてはいけません。そう教えましたね?」
「ご、ごめんなさい。おかーさま。」
少女は慌てて手で涙を拭いしゃんとして見せたが、その手はギュッとスカートを握りしめていた。
「良い子ね、アクア。」
そう母親は言って片手をあげると、姿を現す1人の屋敷しもべ妖精。
その身は恐怖からか大きく震えていた。


(P.198/全P.208)
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