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レンにはその表情が何を隠しているのかは判らなかったが、シリウスが亡くなったあの日、本当に過去に行って2人の記憶に自分の事を残してしまった事に変な汗が出てしまっていた。
「それで、父親は俺だな。」
「希望的憶測かしら。」
「いや、確信だな。自分の娘が5年生の頃に俺かお前のどちらか、あるいは両方に何か…無茶をしてまでこんな過去にまで飛んでくるほどの事が起こるんだな。」
「ショック?」
「…まぁ多少はな。俺がもし死んだとして兎のお前が遺されたらどうなるよ。」
「その時はリーマスと再婚するわ。」
「お前なぁ…。」
人が真剣に話してるのに…と言いたげに深く溜息を吐くシリウスにアクアは顔を覗き込んではシリウスに口付け、冗談。とアクアは笑う。
「そうね、あの子はきっと自慢の娘よ。私が欲しいもの私にないものを全て持ってたわ。スタイルの良い体に可愛らしい見た目、アンタそっくりのムカつくまでにストレートな髪と意志の強い瞳。そして純粋な心。アンタ譲りで大切な人を深く愛せる子だった…優しい子だった。皆は私の梟の姿が太陽みたいだって言ってくれていたけれど、あの子は月ね。柔らかな月光が安らぎをくれる様な…そんな雰囲気を持っていて、必死にヴォルデモートと戦ってる様だった。でもね、シリウス…あの子の背中には薄く虐待の痕がいくつも残ってたの…私の家にある道具よ…。」
その言葉にシリウスは瞳を丸くしては信じられないという様な顔をしていた。
「シリウス…あの子には両親がどんな事になろうとも愛されていたんだって教えてあげて。森に住む傷ついた動物達みたいに憂いの色があの子の瞳の奥に見えが気がするの。」
アクアがそう言うとシリウスはしっかりと頷く。
「…だが、俺達はこの記憶を持っていてはいけない。何があったにしろ未来を教える事は未来を変えた咎人になっちまう。流石に娘にそんな咎は背負わせたくねえ。」
そう言うシリウスにアクアは小さく頷く。


(P.203/全P.208)
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