第48話:あともう少し…。
「レン、大丈夫?」
記憶の内容やレンの様子からハリーはそう声をかけてくれ、レンは小さく頷いては有難うと一言。
「…先生。」
「ハリー、どうしたのかの?」
「もしかしたら…ですけど、あの予言の血の加護って、この記憶の加護の事で…僕達はそれを行っておかなければならない、って事ですか?」
「その通りじゃ、ハリー。」
「けど肝心のやり方は記憶の中にはなかったし…。」
「その点の心配はいらぬ。この分家とされる先人達が改良した血の加護はのう、信頼の上に成り立つ、敗れぬ誓いのような契約によって成り立つものなのじゃ。まず互いに血を分け合い、そして傷を合わせる様にして手を繋ぐ。相手を我が身より大切に思うておる事や絶大なる信頼が互いの間にあれば、儀式は終わりじゃ。これは互いに互いを守る為に必要な事だとワシは考えておる。」
「でも…」
「ならばハリー。自分の為ではなく、レンの為にこの儀式を行うと考えてはみてくれぬかの?」
「レンの為…?」
「そうじゃ。この先、必ずや戦いが起こる。その時、彼女の力は必ずや必要となるじゃろう。その時のお守りとして、じゃ。」
それにハリーが頷いたように見えれば、レンは自分の手首を切ると、ハリーは不安げにレンを見つめ、そしてダンブルドアを見つめる。ダンブルドアが微笑んだのを見てから傷口に唇を寄せその血を口に含んでは飲み込む。
そして何かの反応があったのだろう、驚いた様な表情をすると其処から唇を離し、そういえば傷つけるものがないと慌てるハリーに、ダンブルドアはそっとナイフを手渡すと、ハリーはなんら躊躇う事もなく手首を傷付けてレンに向けると、そこに口付けた。
ハリーはどこか恥ずかしそうに頬を赤らめ、レンはゆっくりと口の中に流れる血液を飲み込む。
数回それを繰り返せば、体の中が暖かいものに包まれるような感覚がし、レンは口を離した。
そしてダンブルドアはその傷口が触れ合うようにレンとハリーの腕を掴ませると、そこが淡く光り、すぅっと傷口に血が戻るように傷が癒えていく。
(P.205/全P.208)
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