ペンダント部分に『シリウスの無事は本部にて確認済。罠故直ぐに引き返せ。私だという証明にこのコピー品を此処に置く。私は無事だからこれを見たら必ず引き返す事。』と書いたメモ用紙を括り付けた。
「もし私に何かあった時の為の保険。」
そう呟き零すと「警戒を怠るなよ。」と声が聞こえた。
レンは電話ボックスが盾になる様に背にしては残りの方向へ意識を集中させ杖をポケットの中で握りしめる。
流石にマグルの往来する可能性のある道で杖を握って立つ事は嫌でも目立つだろう。
そもそもホグワーツの制服な自分自身が目立つと言ってしまえば、それまでだが…。
嫌な予感がする…シリウスのあの映像が脳内でリピート再生されているかの様に心が落ち着かなかった。
辺りに黒い煙が此方へと向かってきたと思った瞬間レンを囲むように降り立ち、それは黒いローブを羽織った3人の死喰い人へと姿を変え、その者達の口元はニヤリと歪んでいる。
「お待ちしておりましたぞ、姫君。」
「あら、私には突然煙のように姿を現したかと思えば仮面で素顔を隠し続ける無礼な知人はいないわ。申し訳ないけどお引き取り願える?」
「姫君、ご無礼をお許しください。…我々は姫君をお迎えに上がった次第で…。」
「何処へ行くと言うの?」
「次第にお判りになるでしょう。」
「先程も言ったけれど、無礼な人の言い分は聞き入れる気すら失せるというものよ。」
「姫君には手荒な真似はしたくはございませんが…どうしても聞き入れていただけぬと言うのなら…此処で貴女を説得し続け、言う事を聞いて下さる様、この星々に祈り願いが叶いますよう呪文を放つしか我々には手が残されておりませんな。」
それにピクリとレンの眉が動けば、ポケットから手を出しては「連れて行って。」とその手を差し出す。
その手に1人は「お判り頂けて嬉しゅうございます。」とその手に口付け、他の2人がその手を組むようにして取り押さえると、1人が先に姿をくらまし、そして2人に連れられ姿をくらました。
姿を現したのは魔法省のアトリウムだった。
そのまま引き摺られるように連れ、静かな魔法省の中をひたすら歩いて行くとこの道があの尋問の時に通った道だという事に気付く。
だが、あの法廷に着く前に道を変え、着いた先は神秘部の扉の向こうだった。
いくつもの扉が並んだ奇妙な空間だ。
(P.8/全P.49)
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