第81・82話:NO
レンは死喰い人の手が緩んだ隙を狙い、追い払い呪文で近くにいる死喰い人を払い退ければ、レンは近くの扉に滑り込むように飛び込んでは、扉に鍵を掛けては小さく息を吐き、辺りを見渡すと沢山の砂時計がレンの目の前でキラキラと砂を落としている奇妙だがどこか綺麗な部屋に、此処は時の間なのだろうと把握する。
小さく息を吐いては懐中時計を取り出せばそれを繋ぐとシリウスの安心したような表情が映し出されたが、その背景が違っている事に直ぐに気付いてはその顔色を変えた。
「お前、今何処にいる!?」
「んー…多分、神秘部の時の間ね。砂時計がいくつもあるもの。案外綺麗で驚いてたところ。」
「何を呑気な…!良いかレン、取り敢えず逃げ続けるんだ。戦ってはいけない!」
「それはそのつもりよ。逃げ続けて必ずそっちへ帰るわ。ハリー達は此処にくる前に伝言を受け取って引き返してくれるはずだから…魔力が離れていくのを確認してから姿くらましして帰るわ。だから心配しないで。私は大丈夫よ。」
扉がドンドンッと音を立てるのに視線を向けながら、シリウスにはっきりとそう告げるがシリウスは聞きはしなかった。
「お前の大丈夫はあてにならん!良いか?私が迎えにいくその時まで、目くらまし魔法でもなんでも良い、姿を隠して逃げ続けるんだ。」
「…まって、ハリー達を助ける為に動くつもりだったのでしょう?ハリーが引き返すのならこっちへ来る必要はないわ!此処は魔法省よ。もし来て闇払いとかと鉢合わせてしまったら…貴方は捕らえられてしまうし、此処には死の間って不吉な名前の部屋があるはずなの…もしそこに貴方が立ち入ってしまったら…アレが現実になってしまったら…私そんなの死んでも嫌!」
レンがそうはっきりと告げ、シリウスが何かを言うのと同時にバンッと大きな音を立てて扉が開けばゾロゾロと死喰い人が中へ入って来てはひとつの光線が砂時計に当たりそれが砕ける。
レンは通信を切ったかどうかは定かではなかったが、そのままその死喰い人を真っ直ぐに見詰めながら懐中時計をしまい杖を構える。
「本当に…お転婆な姫君だ…。」
「其処を退きなさい、ルシウス。」
杖を向けたまま、ルシウスを睨むレンに、ルシウスは冷たく微笑む。
「あのお方の血がその御身に流れていても、その命令は聞けませぬな。」
「アンタ、コイツに育てられてたんだよね?」
ベラトリックスがそう言うとレンは「お世話になった事はある」と小さく答えれば、彼女は高笑いをする。
(P.9/全P.49)
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