しおりを挟む / しおり一覧

「彼奴が動き出したって事だな。私を使ってレンをおびき出そうとするとは…。」
シリウスは苦笑し、レンは震える腕でシリウスを抱き締めたまま背に顔を埋めた。
色々な想像が事実にならなくて良かった…でも、まだリーマスの無事が確認出来ない…。
「レン、私は大丈夫だ。騎士団に連絡を出さなくては。」
こくんと頷くも、離れようとしないレンに、大丈夫だから。と手を離させようとするがレンは離れようとはしなかった。
「昨晩、マクゴナガル先生がやられたの。守れなかった。意識が戻らなくて…。」
「その話は耳に入って来ているが…彼女は医務室にいるのか?」
「多分病院に運ばれたと思うわ。胸に…二本、失神呪文が当たって…。」
レンが声を震わせてそう言うと、シリウスはその手を離させ叱ろうとしたのだろう、厳しい顔でレンを真っ直ぐに見つめるも、その顔色に思わず言葉を飲んだ様だった。
「真っ白じゃないか…。これから戦いになるだろう…それまで少し休みなさい。」
レンは「うん」と言うも、本部の戸が誰かが来たかの様に開き、そして閉まる音を聞くと、堪らず飛び出しては階段を駆け下りその姿を確認する否や腕の中に飛び込むと、その者は心底驚いた様に瞳を丸くし、速なる鼓動が聞こえる。
「レン。今は学校の筈だね。どうして此処に居るんだい?」
声はとても静かで、抜け出して来たであろうレンを叱りつけようとしているのが判る声色だった。
レンは身を震わせては「ごめんなさい」と謝ると、彼は身を少し強引に離しながら「此処にいてはいけないのは判っているね?ホグワーツに帰りなさい。」と一言言うが、顔をあげたレンにその者は息を飲んだ。
身を小刻みに震わせ、顔色は真っ白だったのだ。
「リーマス。レンへの説教は今のところ無しにしてやってくれ。」
なにがあった?と聞く彼に、上から降りて来たシリウスがリーマスに事情を話してくれ、リーマスは驚いた様に瞳を丸くすれば、叱ろうとしていたその表情が優しいものやら心配そうなものやら何やら複雑そうなものに変わった。
「私達のどちらかがヴォルデモートに捕らえられたと思ったのかい?」
それにレンは頷いた。

(P.3/全P.49)
前へ | 一覧へ | 次へ